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莫大とは?/ アットローン

[ 524] 莫大なる財産
[引用サイト]  http://ameblo.jp/streettracker/

アメリカでは、大統領選挙の予備選が過熱する一方である。民主党、共和党を問わず、候補者にとっては、アメリカ経済の立て直しに関する具体策が大きなテーマとなってきた。サブプライムローン危機に端を発したアメリカ金融界の大混乱は、一向に収まる兆しが見えない。そのため大統領の座を狙う三人の候補者達は、いずれもヘッジファンドを悪役に仕立てようとする動きを見せている。
曰く、「 不動産バブルを煽り、サブプライムローン危機をもたらした元凶はマネーゲームを追及し続けたヘッジファンド業界にある」 といった類の批判である。
中でも、民主党のヒラリー・クリントン候補とバラク・オバマ候補はアメリカの金融システムを再生し、資金手当ての必要な中小企業や真面目に働く個人向けに融資が実行できるようにするためには、マネーゲームからの脱却が必要だと主張し、ヘッジファンド業界に対する規制強化を打ち出している。
マネーゲームの行き過ぎは確かに問題だが、さりとてすべての責任をヘッジファンドに擦り付けるような議論も極端に過ぎるだろう。
確かに、アメリカの景気の先行きは極めて厳しい。相次ぐ金融機関の破綻に際し、アメリカの中央銀行に当たる連邦準備制度(FRB)では非常事態宣言を出し、大恐慌以来の大規模な資金注入に踏み切った。
これはある意味では、ルビコン川を渡ったに等しい状況といえるかも知れない。前FRB議長のアラン・グリーンスパンも危機的状況が続くアメリカ経済について 「この状態は戦後最悪の事態だと後の歴史家たちは分析するに違いない 」と危機感を露にしているほどである。
その象徴的な出来事が、ウォールストリートで85年の歴史を誇る大手投資銀行ベアー・スターンズの経営破綻である。この異常事態に対し、連鎖反応を防ぐためFRBでは300億ドルという巨額の資金を融通することになった。しかし、ベアー・スターンズがこのような苦境に陥った背景は、同社が13兆4000億ドルもの巨額な投資ポジションを維持していたからなのである。この金額はアメリカの国家収入を上回り、全世界のGDPのほぼ4分の1にもあたる凄い金額だ。
ユダヤ商法の権化ともいえるが、このような巨額なマネーゲームの渦中に一金融機関がどっぷりと漬かっていたのは、やり過ぎだった。実は、ベアー・スターンズに限らず、カーライル・キャピタルなど、破綻状態に陥ったマネーゲームのプレーヤー達はスワップ、スワプション、キャップス、カラーズなどのさまざまの金融テクニックを駆使し、デリバティブ運用を拡大してきた。
もっとも、手元の自己資金が800億ドルに過ぎない金融機関がこれほど大規模なマネーゲームに参戦できたのは、大手銀行やヘッジファンド、個人投資家などが、こぞって蜜に群がる蟻のごとく資金提供を続けてきたからである。
もし、20年前であればFRBがウォールストリートの金融機関を救済するために公的資金を注入することなどありえなかっただろう。しかし、2008年の現在、ベアー・スターンズを見殺しにすることはできなくなっている。なぜなら、同社の商品を扱っている金融機関は世界中に広がっているからだ。
リーマン・ブラザーズやシティー・グループ、UBSなどを筆頭に世界各国の金融機関や投資ファンドがベアー・スターンズと共に「マネーゲーム号」の乗組員として、運命を共にしているのである。
言い換えれば、ベアー・スターンズが破綻すれば、アメリカのみならず世界全体が金融大恐慌に陥ることになりかねない。
限られた手元資金を基に梃子の原理で投資金額を何倍にも膨らます手法を「デリバティブ」と呼ぶ。これまで、数多くのヘッジファンドがこの手法で大きな利益を確保してきた。
しかし、516兆ドルまで拡大したデリバティブが「金融界のチェルノブイリ」にも例えられるほど、想定外の大きな被害をもたらす可能性は高い。
そして実際のところ、このベアー・スターンズの危機的状況は氷山の一角に過ぎないのだ。というのは、このところアメリカではほぼ、毎日一行の割合で投資銀行やファンドが破綻しているというのが現実だからである。
アメリカでは、一般国民の懐具合も厳しい状態が続く。2007年、12月末の段階で、可処分所得の36%が食糧、エネルギー、医療関連に使われるようになっており、いわゆるエンゲル係数の大きさで見れば、1960年以降、最悪の状況になっている。2008年の全米レストラン協会の調査でも、対前年同月比で、レストランの売上が54%も下がったことがわかる。要は、外食を控え、自宅で食事をする人々がかつてないほど増えているわけだ。
また、すでに300万件を超える住宅ローンの破綻が大きな社会問題化している。これまでは、差し押さえが発生すれば、家具や家電製品などが競売にかけられることは当たり前であったが、差し押さえの時点で一切金目のものが残されていないケースが急増しているという。現在の予測では、住宅ローンの支払いが継続できそうにない家庭は約900万件も存在するといわれる。
とにかくアメリカの金融機関はすでに本来はたすべき役割を放棄していると言えよう。100年前であれば、アメリカで金融危機が発生した場合、それは単にアメリカ一国の問題であった。しかし、現在ではアメリカで発生した金融危機が世界経済全体を奈落の底に突き落としかねない。そこまで経済や金融のグローバル化が進んできているのである。
アメリカの通貨ドルも国内の経済不安や信用低下の結果、価値が急降下を続けている。2001年にピークを記録した後、ドルは下落の一途をたどり、昨年だけで14%を超える目減りとなっている。
デューク大学と「CFOマガジン」が共同で行った経営者に対する意識調査によれば、国際的な企業の約90%の経営者たちが「2009年までは景気の回復は期待できない」と悲観的な見通しを明らかにしている。このような厳しい経済の先行きに対して、悪役として名指しを受けたヘッジファンド業界ではあるが、それらの批判も何のそのと、新たなビジネスチャンスを追及し始めている点は頼もしいと評価できる。
当然、破綻するヘッジファンドもあるのだが、本来リスクをヘッジすることを最大の売りとしているのがこの業界である。ファンドマネジャー達はさっさとアメリカのドルや赤字国債に見切りをつけ、またサブプライムローン危機で価値の下落した不動産をいちはやく売り払い、新たな投資ポートフォリオを組んでいる。
彼らが今一番注目しているのは、ユーロとユーロ圏の影響力の強い旧東欧やアフリカ地域のインフラ整備や資源開発プロジェクト。ユーロ圏の経済規模は、拡大基調を維持しており、2007年末の段階で、加盟15カ国のGDPはアメリカを追い抜くまでになった。ということは、ドル安ユーロ高の流れの中でEU経済がマーケットとして大きな力を行使できるようになったということである。
各国の金融機関や個人投資家もこのところ相次いでドル離れやアメリカの国債売却に走っている。FRBが国内景気を浮揚させようと、昨年の9月以降たびたび金利の引き下げを行っているにもかかわらず、その結果として、ますますドル売りに拍車がかかった。問題のベアー・スターンズに関してもFRBの介入と資金援助の見通しが付いた時点で、JPモルガン・チェースが救済のための買収に乗り出すことになった。
しかし、住宅ローン破綻の大津波は益々大きなうねりとなってアメリカ国内の不動産を飲み込み続けている。今や、FRBは世界最大の不動産オーナーになったといっても過言ではない。なぜなら、破綻した不動産を融資した銀行やローン会社からほぼ無制限に担保物件として押さえているからである。
そのあおりでアメリカの不動産価格は下落する一方だ。そこでFRBとすれば、不動産の資産価値を維持するために、ドル紙幣の増刷に頼らざるを得なくなっている。しかしこの政策はさらなるドル安を生むことになり、海外の投資家は一層ドルや価値の目減りが続く国債を見限り、原油や天然ガスあるいは、金やプラチナそして穀物などのコモディティの先物市場に余剰資金を投入するようになった。
先見性のある多くのヘッジファンドはこの大きな流れを読み、不動産やドル市場から原油先物市場への転換をはかっている。すでに800社を超えるヘッジファンドやエコファンドなどが原油先物市場に大挙して押し寄せ、中には、一夜にして1000億ドルを超える利益を上げるファンドマネジャーも出始めた。
その影響もあって、アメリカ国債に対する信用は失墜せざるを得ない状況になっている。中国や日本がアメリカの赤字国債を買い支えてはいるものの、海外からの入札比率は低下を続け、直近の国債入札では全体の6%しか海外からの応札はなかった。つまるところアメリカは実質的に国家破綻といってもいい。2008年の財政赤字は4100億ドルに達するとの見通しが公表されているからだ。
ブッシュ大統領は任期最後の経済演説の中で、今年度のGDP成長率を2.7%と設定したが、アメリカを覆う景気後退の暗雲の下では、すべて絵に描いたもちで終わりかねないのである。
財政・貿易の双子の赤字に加え、国民の貯蓄率ゼロというアメリカの家計の赤字を考えれば、現状の好転の兆しはまったく見られない。確実視されているのはインフレと財政破綻、そして金融システムの崩壊への道筋であろう。
からくも国家破綻を免れているのは、日本と中国がまったく別の思惑からではあるがアメリカの赤字国債を大量に買い支えているためである。これはとりもなおさず、アメリカという国家が日本と中国のお慈悲に頼らなければ生きていけないという現実を浮き彫りにしている。
実は2007年11月アメリカの会計検査院はアメリカ政府の財政破綻宣言を行った。その内容は衝撃的なもので、「累積赤字が53兆ドルを突破しており、救済の可能性はゼロに等しい」というもの。正にアメリカという国家に対する死亡宣告にも等しいものになっている。アメリカの国債や国際基軸通貨としてのドルが“紙くず”になる日が近いというわけだ。ところが、残念ながらブッシュ政権によって、この報告は見事なまでに無視されてしまっている。
そのような重大な告発に対し、今やアメリカ最大の富豪となったウォーレン・バフェット氏、マイクロソフトのビル・ゲイツ会長、「ヘッジファンドの帝王」と異名をとったジョージ・ソロス氏らは相次いで、ドルへの決別を宣言し、ユーロとコモディティへの方向転換を図っているのである。
「その流れに乗り遅れてはならじ」とばかり、多くのヘッジファンドもユーロ市場と原油先物市場へと雪崩を打って突入したわけである。そして今や、史上空前のドル安ユーロ高と原油高が世界を覆っている。日本の投資家もこの流れの先を読まねば、生き残ることはできないだろう。
3 月後半からの米国における一連の流動性供給やベア・スターンズ救済などを機に、それまでの底の見えないような信用不安は和らぎ、4 月1 日からの新年度の相場では日本株を含め株式相場は堅調なスタートとなった。4 月中旬からは欧米金融機関の決算発表を控えるが、追加損失のニュースも資本増強が可能ならば良いニュースであると市場では受け止められる傾向になっているため、結果によっては4 月はアク抜け感からの大きな相場となる可能性も出てきた。
ただ、景気先行き不安については、バーナンキ議長が議会証言で成長率がマイナスとなる可能性に言及したように、市場でも不透明感は払拭されていない。このため、景気に関するネガティブなニュースが今週の相場のトレンドを消してしまう可能性も一方にはある。まずは本日の雇用統計が重要。来週の相場は雇用統計の結果次第で決まると見ているが、関連指標は失業保険申請件数は前月よりも悪化しているがISM やADP 雇用調査は前月よりも良好な数字を示唆しているため、残念ながら予想しづらい。
日本では、1 日に発表された日銀短観は業種ほぼ全般に亘って業況判断DI が大きく悪化、設備投資計画は前年比マイナス、と弱い結果だった。大企業・製造業の2008 年度の想定レートは109.21 円と足許実勢よりも円安。企業にとっては想定以上の円高への対応が必要となりそうな状況である。ただし、来週は新体制のもとでの金融政策決定会合が開催されるが、ここまでの日本経済の減速については日銀周知の範囲と思われ、利下げ期待が高まるような判断変更はなかろう。企業のセンチメントは悪いが雇用調整や生産調整に踏み込んで行く動きは短観からは見られず、その経営判断は4-6 月期の国内・海外の景気動向が左右すると筆者は考えている。揮発油暫定税が失効し、小売ベースでも一部でガソリン価格が引き下げられている(3/31→4/3 全国平均▲18.6 円、▲12.2%)一方、食料品価格は今後多数の引き上げが予定されている。国内では小売価格の動向が個人消費に与える影響、米国では5 月以降の減税の効果、このあたりが日本企業の次の行動を左右しそうで、日銀も政策変更の前にこれを見極めたいところだろう。
また、来週については11 日にG7 会合が予定されている。ユーロは対ドルで前年比約17%のユーロ高。会合前後には為替の過度な動きに対する警戒発言が出やすい。ただし金融市場の動向が引き続き主要議題と思われ、ドルの急激な下落が足許一服していることもあり、介入など具体的な行動はないと思われる。
正午過ぎのドル/円は、前日ニューヨーク市場の午後5時時点から小幅上昇し102円半ばで取引されている。一部の米系ファンドが、米雇用統計発表前にドルの買い持ち(ロング)ポジションの積み上げに動いている。
一方で、新年度入り後初めての5・10日にあたるきょうは、輸出企業が活発なドル売り/円買い予約を入れており、相場は両者の綱引きになっている。
1日に米供給管理協会(ISM)が発表した3月製造業景気指数の雇用指数が前月を上回ったうえ、2日に企業向け給与計算サービスのオートマチック・データ・プロセッシング(ADP)子会社などが集計した3月ADP全米雇用報告の民間部門雇用者数も予想を上回ったことで、上振れリスクは織り込まれたとみられる一方、昨日の新規失業保険申請件数の増加で下振れ警戒感も出ている。
ロイター調査によると、3月の米雇用統計では、非農業部門雇用者数の減少が前月から鈍化する見通し。ただ、失業率は上昇すると予想されている。
2日の東京外為市場でドル/円<JPY=>は1カ月ぶり高値を更新したが、市場では「消極的な買い戻しにしか過ぎない」(都銀のチーフディーラー)と、上昇は長続きしないとの見方が出ている。テクニカル的に勢いづいた買いで104円付近への反発を見込む声もあるが、ドル/円の予想変動率(インプライドボラティリティ)は依然としてドル安を示唆するなど、信用リスクの高まりを背景とするドル安地合いに変わりはないとの声も根強い。
「何かおかしい」――。きょう朝方からドル/円を買い持ちにした、ある外銀ディーラーは午前の取引状況を眺めながらつぶやいた。「誰かが上値でずっと売り続けている。昨日からドル高にはなっているが、勢いがなさすぎる」と話す。
この1カ月間、ドルのレンジ上限として短期筋や輸出企業の戻り売りが待ち構えていた101円台を大きく上抜けたことで、市場では「テクニカル上の買いが勢いづいてきた」(都銀)との声が多数出ている。この日の東京市場でドルは、値動きこそ101円後半から102円前半で一進一退となったが、水面下では「輸出企業の売りがかなりの量で出ている。それでも崩れないのは、モデル系やマクロ系などの海外ファンドが断続的にドルを買い支えていたため」(邦銀の為替部門顧客担当者)と、売買は激しく交錯した。
テクニカル上、多くの参加者が次の上値めどとするのは、3月前半の戻り高値となった104円付近。市場では、ドル安の長期化でドル売りポジションが大きく積み上がっているとの見方から、ドル買い戻しがさらに勢いづけば110円付近への戻りも考えられるとの声も出ている。
しかし、こうしたドル買い戻しに首をかしげる参加者も少なくない。ある都銀関係者は前日のドル上昇を「きっかけになったのは高値圏で買い姿勢の強まっていたユーロへの売り。ドル買いは結果論でしかない」と見る。株主割当増資が行われるとはいえ、UBSの損失額は190億ドルと巨額。さらに前日には、ユーロ圏で景気見通しに不透明感の強いとされるスペインで、同国中央銀行が国内総生産(GDP)見通しを3.1%から2.4%へ下方修正。ユーロ圏の景気けん引役とされるドイツでも、2月小売売上高が1年ぶりの落ち込みとなるなど、ドル安の一方で買いが強まっていたユーロにも、不透明感が強まり始めた。4日の3月米雇用統計や来週末の7カ国財務相・中央銀行総裁会議(G7)を前に、史上最高値の続いていたユーロ/ドルに利益確定の売りが強まり、ドルが消去法的に買い戻されたとの見方だ。
ドル買い戻しに否定的な見方の1つとして、ドイツ銀行(DBKGn.DE: 株価, 企業情報, レポート)が発表した決算に対する懸念もある。UBSがサブプライムのエクスポージャーを5割近く削減したと発表して決算の透明性をアピールしたのに対し、ドイツ銀は声明で「25億ユーロ前後の評価損を計上する見込み」としたのみ。「発表の不透明さは、事実を正確に言うとまずいのではないかとの疑いにつながり、金融機関全体への疑念につながる。UBS決算でサブプライム問題が1つ解決に向かったとの見方は軽すぎる」(市場筋)という。実際、前日の欧州株式市場では、決算発表後にUBSの株価が1割超の上昇となった一方、ドイツ銀の株価は3%程度の値上がりにとどまっている。
スポット市場でドルが1カ月ぶり円安水準へ大きく上昇したにもかかわらず、通貨オプション市場では、ドル上昇が長期化するとの見方はほとんどない。ドル/円の予想変動率(インプライド・ボラティリティ)は2日、1カ月ぶりの円安水準を反映して期近物、期先物ともに小幅低下したが、1年物<JPY1YO=>は11.4%付近と昨年8月に付けた歴史的高水準を維持。「まだ下落リスクがあるとの見方から(すでに手当てしてある円高進行に対応したオプションのポジションを)売れない参加者が多い。円高警戒感がなくなったとはとても思えない状況」(別の都銀)だ。「相次ぐ利下げで、ドルには金利面の優位性がなくなった。サブプライムが相変わらずくすぶり、リセッション懸念も残るドルを買い続けるのは難しい」(外銀)という。
これまで大きく売り込まれたドルに買い戻しが強まったため、高水準とされていた参加者のドル売りポジションはいったん解消された状況だ。「これで、悪材料があれば、再びドルは下値を試しやすくなった」(冒頭の都銀チーフ)との声は少なくない。

 

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