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[ 499] 第28次地方制度調査会 第1回総会 次第
[引用サイト]  http://www.soumu.go.jp/singi/No28_sokai_01.html

 地方制度調査会はお手元に配布しております資料のとおりでございますが、地方制度調査会設置法第二条に基づき内閣府に設置されている調査会でございます。その所掌事務は同条において書かれておりますが、内閣総理大臣の諮問に応じ、地方制度に関する重要事項を調査審議することであると定められております。
 議事を進行いたします都合上、仮議長を決めさせていただき、仮議長のもとで会長及び副会長の互選を進めるのがよろしいのではないかと思いますので、恐縮ですが、便宜、私の方から仮議長をご指名いたしたいと思います。よろしいでしょうか。
○江利川内閣府大臣官房長 ありがとうございます。ご異議がないようでございますので、山本委員に仮議長をお願いすることといたします。山本委員、どうぞよろしくお願いいたします。
○山本仮議長 全国町村会長の山本でございます。ただいまご指名をいただきましたので、会長、副会長の互選まで間、仮議長を務めさせていただきますので、ご協力をいただきますようお願い申し上げます。
○中馬委員 衆議院の中馬弘毅ですが、今次の地方制度調査会はさきの27次地方制度調査会からの継続審議事項が多々ありますので、会長には引き続き諸井委員にお願いしたらどうかと存じます。
○山本仮議長 ありがとうございました。ほかにご意見はございませんでしょうか。ないようでございますので、ただいま中馬委員から会長に諸井委員、副会長に小早川委員を推薦する旨のご意見がございました。皆様いかがでございましょうか。
○山本仮議長 皆さんご賛同のようでございますので、委員の互選によりまして、会長には諸井委員、副会長には小早川委員に、それぞれご就任をいただくことに決定をいたしました。これから、諸井会長、小早川副会長にご挨拶をお願いいたします。
○諸井会長 ただいま、第28次地方制度調査会の会長にご推挙いただきました諸井でございます。第27次に引き続きまして会長に推挙されまして、大変光栄と存じております。今、28次の地方制度調査会というのは、多分、国と地方の関係を決するような、非常に重大な役割を背負っているのではないかというふうに考えております。この重大な時期の会長を務めますに、私は浅学菲才でございますし、知識、経験ともに不足しておりますので、やはり、皆様方の絶大なご支援、ご協力、そしてご指導をいただきませんと、この役目が務まらないと思います。ひとつ何分よろしくお願いいたします。どうもありがとうございました。
○小早川副会長 ただいま、副会長にご推挙いただきました東京大学の小早川でございます。よろしくお願いいたします。諸井会長のご挨拶にもございますが、今次の地方制度調査会、審議事項は日本の地方制度、あるいは行政制度の根幹にかかわる重要な課題がさまざまあろうかと存じます。大変微力ではございますが、会長をお助けして副会長の職務を務めていく所存でございますので、どうかよろしくお願いいたします。
○諸井会長 小泉総理大臣、福田官房長官、麻生総務大臣はじめ皆様、ご多忙中にかかわりませず、おそろいでご出席をいただきまして、まことにありがとうございました。
○小泉内閣総理大臣 皆様、お忙しいところありがとうございます。この度、第28次地方制度調査会が発足するに当たり、委員をお引き受けいただきまして誠にありがとうございます。今後2年間、格別のご尽力をお願い申し上げます。
 就任以来、「改革なくして成長なし」という基本認識に立ち、私は抜本的な構造改革を進めております。地方分権につきましても、現在、地方公共団体がより自主的、自立的な行財政運営を行えるよう、三位一体の改革を進めております。これを一層推進する観点から、地方の自由度や裁量を拡大する方向で、さらなる地方行財政の構造改革が必要であると考えております。道州制の導入、あるいは大都市制度の見直し、地方議会の活性化、さらには地方行政の各般にわたる弾力化などのテーマにつきまして、「地方にできることは地方に」、この基本方針のもと、十分なご審議をいただきまして、具体的な改革の成果につなげていただきたいと思います。皆様方の活発なご議論と具体的なご提言を期待申し上げておりますので、よろしくお願い申し上げます。ありがとうございました。
○小泉内閣総理大臣 地方制度調査会設置法第2条の規定に基づき、次のとおり諮問する。道州制のあり方、大都市制度のあり方、その他、最近の社会経済情勢の変化に対応した地方行財政制度の構造改革について、地方自治の一層の推進を図る観点から、調査、審議を求める。
○諸井会長 それでは、引き続き内閣総理大臣との懇談に入ります。小泉総理には大変お忙しいところを時間を割いてご出席いただいております。時間が限られておりますので、最初に委員の方からご発言をいただきまして、その後、総理からまとめてご発言をいただくということで進めたいと思います。
 最初に、私から質問をさせていただきますが、今、総理もおっしゃったように、官から民へ、国から地方へというのが構造改革の基本であるということで、今、鋭意進めておられるところでありますが、地方分権あるいは地方の自立という問題につきまして、今、お話のように、非常な英断をもって三位一体の結論を出していただいておりますし、これから、その方向に向かって法律、予算、その他、すべて進んでいくということで考えておりますが、この際、総理から国から地方へという、その基本のところについて、お考えを改めてお伺いさせていただきたいと思います。
○石井委員 岡山県知事の石井でございます。知事会を代表して一言意見を述べさせていただきたいと思います。
 まず、小泉内閣総理大臣におかれましては、三位一体改革の推進など、国から地方への基本理念のもと、さまざまな構造改革に果断に取り組んでおられますことに対しまして、心から敬意をあらわさせていただき、また心より感謝を申し上げる次第でございます。
 さて、今次の地方制度調査会におきましては、道州制等のあり方につきまして議論がされるわけでありますけれども、今度の検討に当たりましては、国と地方の役割分担というものを抜本的に見直しをしていただきまして、まさに総理がおっしゃっておられます国から地方へという、地方分権改革の基本理念を踏まえまして、国の持つ権限、そして税財源を地方に対しまして、大幅にこれを移譲していただく。こういうことが必要である。こういう認識のもとに都道府県をはじめといたします、今日は地方公共団体が並んでおりますけれども、我々の意見も十分に取り入れていただきますように、心からご期待をまずもって申し上げる次第であります。
 次に地方税財政制度についてでありますけれども、この度の三位一体改革に伴う国庫補助負担金の見直し、そして税源移譲につきましては、実は我々知事会は非常に不満を持っているところでございまして、と申しますのも国庫補助負担金の見直しは義務的なものに大半とどまっておって、我々の裁量の余地が余り広がっていないということ、そして税源移譲につきましては、確かに所得譲与税は示されましたが、未だ基幹税の移譲がなされていないといったことにおきまして、内容は極めて不十分であるというふうにとらえているところでございます。
 また、地方交付税等の大幅な削減の問題でございますが、年末、我々が予算編成を進めております、その最中に突然に、かつ大幅な削減が行われたということ、このことは地方公共団体の財政運営にとりまして、致命的な打撃を与えたところでございます。また、国民生活あるいは地域の経済に対しましても、大きな影響を及ぼしたということでございまして、極めて、我々遺憾に考えているものでございます。
 地方公共団体の来年度の予算編成に当たりましては、基金の取り崩しを行うなど、あらゆる手を尽くしておりますものの、このままで改革が同じように進められますと、平成17年度は予算編成ができない事態も予測されるものでございます。このため、来年度以降におきましては、膨大な量の事務事業を我々地方が義務づけられているという、そういう実情を踏まえられまして、財源保障というものを確実に行っていただきますように、よろしくお願いを申し上げる次第であります。
 さらに、地方分権推進の視点に立ちました構造改革の進展を着実に図っていくためにも、地方の意見というものを十分に反映させた上で、小泉総理の力強いリーダーシップのもとで、今回のような我々地方公共団体が混乱を招くということがないように、地方財政の見通しなどを可能な限り早い段階で明らかにしていただくなど、三位一体改革の全体像と、その工程表を早急にご提示いただきますようにお願いをする次第でございます。
○中畑委員 全国都道府県議会の議長会の会長をさせていただいております。よく愛知県と間違えられるんですけれども、愛媛県の中畑でございます。
 総理はいつも民間にできることは民間に、地方にできることは地方に、こう言っていただいておりまして、そのために制度や規制を撤廃していただいたり、緩和を積極的にしていただいております。私どもも大いに賛成でございます。また、今回、自治法の102条の地方議会の定例会の回数制限、これを廃止されるようになる。このことも我々は高く評価をいたしておりますことを、まずはお伝えを申し上げたいと思っております。
 私は議会というものは、住民自治の主役であるべきものだと思っております。そのためにも地方分権時代が進みます中、地方議会が今まで以上に行動、活動できますように、地方議会の制度を、ぜひとも本格的に見直しを、この調査会においてしていただきたいとお願いを申し上げたいと思っております。
○小泉内閣総理大臣 最初にごあいさつしたことに尽きているんですけど、100年以上続いている制度を変えるわけですから、税源、財源移譲ひとつとっても、これは難しい、交付税、これも難しい、補助金も難しいというのを何年も繰り返してきたわけですね。それはそれぞれ理屈があったから続いてきたわけであります。それを一緒にやろうというのですから、いざ、各論が出てくると、それぞれ異論が出るのは覚悟しておりましたし、1兆円程度の補助金削減でもいろいろ問題があったんですから、3年間で4兆円、これからあと2年間で3兆円補助金をカットして、その関連する税財源と交付税、これに手をつけなければいかん、あるいは4兆円では足らない、もっと大きく補助金を削減してくれという方も出ておりますが、こういう方にも、ぜひ具体論を出していただくことによって、この三位一体改革は進められていくと思います。
 要するに、どこまでが国の事業で、どこまでが地方なのか、これと全部連動してきますから、卵が先か、鶏が先かの議論になっちゃって、できなかったんです。それも含めて、ぜひとも皆さんには具体的な提言をしていただいて、ひとつの案を出していただければなと。私はそんなにできない問題ではないと思っているんです。党派を越えて共通の認識を持てるんじゃないかなと期待しているんです。いい提案はどしどし受け入れていきたいと思いますので、ぜひとも、よろしくお願いしたいと思います。
 難しいのは、地方のできることというと、究極的には地方議会が税財源を決めるんですよね。増税は国でやってくれ、増税やるんだから、減税させてくれということではすまない。裁量権を持つというためには、住民の負担なしにできないわけです。この点も、やはり考えていただかないと。その場合に税源はないから合併しなきゃいかん、しかし、合併は嫌だというところが必ず出てきます。全部各論になると、そういう意見の対立が出てきます。今までのように全部もらった方がいいというところもありますから、そういうのはすまない。どこまでが地方の範囲で、どこまでが国の範囲で、どこまで権限を盛るのか、権限の中で一番厄介なのが税源ですね。増税する場合、この仕事をやられた場合、これは地方議会も大変だと思いますよ。そういう点も含めて、具体的にできるだけ議論をしていただきたいと思います。
○麻生総務大臣 それでは、御多用中にもかかわりませずお集まりいただきまして、ありがとうございました。27次に引き続き委員をしていただく方もお見えでございますし、また新たに委員になられた方もお見えでございますけれども、いずれにいたしましても、第1回の総会にご出席いただきまして、誠にありがとうございました。心から厚く御礼を申し上げます。
 昨年の9月に総務大臣を拝命したんですが、昨年の11月に第27次答申の最終案というのを頂戴をしたと思いますが、これを踏まえましてご存じのように、今まさに市町村合併を推進するために、合併にあたりまして、障害になりますところを除去するための特例措置とか、合併推進方策等を規定する、いわゆる新しい法案というのを、まさに今国会で成立させるべく、審議が始まろうといたしております。また、今、お話がありましたように、三位一体の話も出ておりましたし、私ども担当いたしております総務委員会、また、今やっております予算委員会等々、いずれも、この問題が大きな問題になっておりますが、私どもといたしましては、いわゆる、基幹税という所得税の中から、住民税に渡すという方向が明確にしたことだけははっきりしていますので、何もなかったような話が先ほど石井委員の方からありましたけれども、これは明らかに、明確にその方向は打ち出したということは始まって以来のことだと思っていますので、この点は私どもとしては、いろんな形でひとつの方向として、こちらに一歩踏み出したかなという感じはいたしておりますので、これがもとに戻ることはないので、さらに基幹税の移譲という方向で事は進めたいと思っております。
 また、今、小泉総理から諮問のありました道州制のあり方、大都市のあり方、いろいろあろうかと思いますので、ぜひご審議をいただきたいところですが、中畑委員からお話が上がっておりました年4回の話を含めまして、こういった話というものは、いろいろな意味で言われなければわかっていなかった方が、国会議員の方は年4回なんて知らされている方がおらなかったと思いますね、正直な話ですけれども。何でこれは決まっていると聞いたら、昔からこうなっているという話だったもんですから、さっさと自由にされたらどうですかと。ただ、首長さんの方は嫌がるのかどうか知りませんけれども、話がついたら、さっさとやったらどうですというので事は動いたんですけれども、いずれにいたしましても、今回、この町村合併というのは、どう考えても明治この方続いたものの中で、地域主権という方にことは移っていくに当たりまして、その地域主権でやられる方の地域の側としては、それに対応できるだけの行政能力、財政能力、税財源、自由裁量権等々を持たないと言われたってできないわけですから、そういったものに対応できるようにするために何が要るかという話の中のひとつとして、いろいろな細目が決められておりますものを自由にしてもらわないとなかなかできない。また、することによって経費の削減ができる。公設を民営化してもいい、いろいろ細かいのがいっぱいありましたけれども、そういったものの中で、いろんな障害になっております部分というのは、実は政令で決まっていたり、省令で決まっていたり、法律外のところで決まっているところもいっぱいあろうと思いますので、そういったところのご指摘をいただいて、私どもの知らないところがいっぱいあろうと思いますので、ぜひ教えていただいて、それをもとに、少なくとも地域の時代と言われるものにふさわしい制度、システムというものをつくり上げるように、ぜひ、皆様方のお力添えを賜りますように、心からお願い申し上げてご挨拶にかえさせていただきます。
 それでは、引き続き麻生総務大臣との懇談に入りたいと思います。麻生大臣には、大変お忙しいところ時間を割いてご出席をいただいております。時間が限られておりますので、何人かの委員からご発言をいただき、総務大臣から適宜まとめてご回答いただければというふうに思います。いかがでございましょうか。
○山出委員 全国市長会でございます。大臣ご就任以来、いろいろご支援またご指導くださって感謝します。この第1次の分権改革が実現をしまして、これから第2次に入っておるわけでありますが、さらに、強力に推進をしたいと思っています。これから、この調査会におきまして、私は将来の自治制度の姿につきまして、明確な見通しを持つ必要があるというふうに思っておりまして、新しい世紀を展望した広域自治体のあり方につきましても、憲法的な論点も含めて、抜本的な観点で議論を重ねていく必要があるのではなかろうか、こう思っています。
 現在、市町村合併は進んでございます。それを踏まえますと、都道府県の現行の役割、そして合併による広域化、こういうことが検討されなければいけないと思いますし、私どもからいたしますと、都道府県と市町村の事務の再配分、こんなことも検討をすべきだというふうに思っています。同時に大都市制度でございますが、政令市は県と同様に、中核市は政令市並みに、特例市は中核市並に、そして人口10万以上の市にもっと権限を下ろすべきだという考え方でございまして、この都市の規模、能力、そして意欲に応じて、個性を持つまちづくりができるように、そういう都市制度であってほしいと願っています。そして、三位一体の改革のことでございますが、16年度の予算編成におきまして、みんな大きな財源不足が生じまして、これから、どうなるのか、大きい不安を抱いておるというのが実態だろうというふうに思っています。
 そこで三位一体の改革とは、国の関与をできるだけ少なくする。国庫補助負担金を落としていく、そのかわりに所得譲与税という形になったわけですが、所得税に風穴を開けていただいた、ここまでは、私は大変よかったというふうに思っておるんですが、その後における地方交付税の大幅な減額がございまして、そういう意味で、三位一体の改革とは、本当に地方の自由度を増すための改革でなければいけないのに、どちらかといえば、国、地方の財政再建という視点の改革というふうにとられがちであって、地方分権推進のためなのか、あるいは国、地方の財政再建のためなのか、そこら辺が明確でない。このことで混乱が生じているんではなかろうかという思いがございます。明確にしてしいく必要があるというふうに思いますし、先ほど、石井知事からお話がございましたけれども、18年度に向けて、工程表を早期につくって、そのことの必要性、全体像を示して、年度別の進め方を示して、規模もお示しいただく、こういうことが必要ではなかろうか。地方の意見を十分にお聞き取りをいただきたい。こういうことであります。
○山本委員 それでは、せっかくの機会でございますので、私どもが平素考えておりますことを申し上げさせていただきたいと思います。
 今度の28次の調査会では、道州制のあり方が審議テーマになると思います。そこで、私どもがいつも申し上げているんですが、国の地方支局、あるいは分局、部局というのがございます。これについて十分な議論をしていただきたいと思います。もうひとつは、地方分権の推進という観点からも、また、さらに支局や部局や分局がありますと、二重の手続をしなければなりません。いわゆる、二重行政の弊害がございますので、これをなくしていくため、行政の効率化を図ることが必要だということを考えておるわけです。
 したがいまして、地方に支局、部局、分局を置いておりますが、この権限を、この際、都道府県に全部移したらいかがでしょうか。そうしますと、私どもも大変、行政上、手続上、あるいは事務を進めていく上で非常に便利になってきますし、効率も高くなってくる。そういうふうに思いますので、ぜひひとつ道州制を議論する場合には、そういうところから議論をしていかないと、言いかえますと、これが要るのか要らないかということに議論になってきますので、そういうところから入ってきますと、道州制の議論というのが非常にスムーズにいくんじゃないか。こういうふうに私は思いますので、アプローチのためにも、そういうことをお考えいただきたいというふうに思っております。
 次に2つ目でございますけれども、恐らく税財政の制度のあり方についても、また審議テーマになるだろうと思われますが、合併で幾ら地域を広げてみても税源の偏在、それから財政力の格差の問題は解消することはできません。合併をすると財源ができるんだ、確保できるんだというような見方をされておるところもあるようでございますが、合併したって、何らそういう点は変わるものではありません。
 そういうことを考えてみますと、まず、前提といたしまして、三位一体の改革の議論がなければならないと思います。特に、地方交付税の財源保障機能を縮小するんだということをよく言われておりますけれども、これは大変間違った考え方ではないかと思います。このことは、仕事はしなさい、仕事はたくさんやってくださいといって、財源は保障しませんということと同じことです。ですから、そんなことをやられたんでは、地方の行政というのは進めていくことはできません。ですから、仕事を決めて、これだけやれというならば、その分だけの財源保障というのは、きちんとすることが必要じゃないでしょうか。だから、財源保障をしないで仕事の義務付けだけをやれと、こういう関与をすることはやめてほしいということでございます。ぜひともひとつ十分ご配慮いただきますようお願いを申し上げたいと思います。
 なおまた、そのほかいろいろ申し上げたいことがございますけれども、特にお願いをしておきたいのは、これからのいろいろ議論をしていく中で、私ども町村の意見を十分聞いてください。そして、聞いていただいた意見は、答申の中に盛り込んでいってくださるよう、それだけ最初にお願いを申し上げておきたいと思います。
○片山委員 全国市議会議長会の片山でございます。昨日は地元で麻生総務大臣とお会いして、安全な国家と安心の地方自治体ということで立ち話をいたしたところ、今朝の報道を聞きましてびっくりいたしました。私も、この1月末に弾を打ち込まれた当事者でございますので、この会場におられる皆さん、調査会と多少違うかもわかりませんが、安心で安全な国家と地方自治体をつくるように、ぜひお力をひとつお願い申し上げまして、本題に入らさせていただきます。
 地方分権の流れを見ましたら、私ども地方議会の制度の充実強化、これは重要な課題でもございます。先ほど中畑会長から定例回数の4回の話がございました。そのほかにも制度改正をやらなければならない問題がたくさんあると思います。第27次の調査会におきましても意見を申し上げ、会長もご存じだと思いますが、果たして盛り込まれたかなということを考えてみましたら、残念ながら、ぴしっとした論点項目で取りまとめてないというふうに思います。28次の調査会においては、第1次の地方分権改革以来、残されております課題を含んで、ぜひ地方議会制度の改革の論点を盛り込んでいただいて、十分なる議論を、ぜひ委員の皆さんにお願い申し上げて終わりとさせていただきます。よろしくお願い申し上げます。
○滝委員 総会でないと、私ども発言の機会がどうも得にくいように思いますので、恐縮でございますけれども、一言発言をさせていただきたいと思います。衆議院の滝実でございます。
 この構造改革のこれからの状況を見渡しますと、どちらかというと、日本の場合には一本調子で人口が増加するということが期待できない。期待できれば一番いいんですけれども、恐らく、なかなか難しい状況だろうと思うんです。人口が恐らく、このまま停滞をするか、あるいは少し減少するかというのが、今の人口問題研究所の推計でございます。
 そうなってくると一番問題になりますのは、やはり、日本のいろんな資源を、どうやったら効率的に動かすことができるかということになってくるんだろう。その場合に、地方行政の枠組みを考える場合には、その中でいかに効率的な枠組みを考えるか、今のように国も地方のことを構う、都道府県も構う、市町村も構う、要するに、資源が限られてくるような時世の中で、三層構造でお互いに地方のことに手を出していく。それを何とか防ごうというのが地方分権の、今の進行状況だろうと思うんでございますけれども、そういう中で考えるならば、どこで地方行政の一番重心的な仕事をしてもらうかといったら、もう市町村しかないと思うんです。県が市町村の今やっているような仕事をかわってやるというのはなかなか難しい。やはり、第一線の仕事は市町村だということになると、当然、市町村重視の地方行政に展開しなければいけない。これが第一原則だろうと思います。
 その場合、県はどういう立場になるのかなといえば、やはり、県の仕事はできるだけ市町村に移譲するということがなければ、重複になってくるということになる。今の現在の都道府県の仕事の半分は連絡調整だと思うんです。国との中継ぎ、市町村との中継ぎ、この連絡調整の事務が資源の無駄遣いだというふうに考えていいんじゃないだろうか。もちろん、連絡調整というのは大事なことですから、全くそれを否定するわけにはまいりませんけれども、資源を有効に使おうとすれば、真ん中の連絡調整のところをどうやって効率化させるかという枠組みを考えませんと、幾ら末端で紙1枚、鉛筆1本けちったって、それは大した節約にも効率化にもならない。こういうふうに考えていく必要があるのではなかろうか。
 したがって、そういうときに道州制が出てまいりますと、一般の国民の皆さん方の受け止め方は、県にかわって道州制というのは、地方自治体、地方団体そのものとして受け止めがちだと思うんです。27次の議論を聞いておりましても、道州制というのは、ひとつの独立した連邦を構成する州として観念されている。ドイツを見ても、アメリカを見てもそうですから、そういうようなことを観念するには、若干どうだろうか。もちろん、そういう連邦を構成する州として道州制の議論をしていくことは必要だと思います。
 しかし、それだけでは具合が悪いので、道州制というのは別の観点から、要するに、独立の州とか、そういういわば地方自治のひとつの単位としての道州制ではない考え方というのもあり得るんじゃないか。道州制の議論をされるならば、そういう幅広い議論を展開していっていただく必要があるんじゃないか。初めから道州制というのは、完全なひとつの完結した独立の団体として、観念するんじゃなくて、別の感覚があるようにも思いますので、初めからドイツのような、アメリカのような連邦を構成する道州という格好ではなくてやった方がいいじゃなかろうか。
 日本の古来の考え方、国というのは、少し道州制というよりは、はるかに小さいので、日本の伝統的な流れの中からも、多少脈略を付けた区割りというものを考えた場合には、単純な連邦を構成する州としての道州制というのは、やや馴染みがたいところがあるんではなかろうかなということも片やございまして、道州制の議論をするときには、そういう幅広いご議論をしていただきたいという思いで発言させていただきまたので、よろしくお願いを申し上げたいと思います。
 議会の活性化につきましてご意見を申し上げたいと思います。言うまでもなく、地方分権の推進に伴いまして、地方公共団体が担う役割は、ますます増大し、住民の代表機関として、自治体の最終意思決定を預かる議会の役割、責任というものは大変重くなってまいっております。言うまでもなく、地方議会制度は住民自治を充実するために、憲法が保障した制度であります。しかしながら、現行の地方議会制度は、今もって制限が誠に多いものとなっております。町村議会を活性化するためには、ぜひ、もっと自由度を高めていただきたい。そして、地方議会でできることは、地方議会に委ねてほしい。こういうことを申し上げておきたいというふうに思います。
○麻生総務大臣 いっぱい頂戴しました。山出さんからの件ですけれども、基本的には、いわゆる権限を移譲するという方向で事は進んでいるんで、そこのところは別に問題ないんだと思うんですが、大きければいいかというところが一番問題なんだと思うんです。
 日本で一番小さな村は八丈島の南70キロぐらいのところにある青ヶ島という島が、多分一番小さな行政体で約200人だと思うんです。これが日本で一番小さな村だと思いますが、いわゆる、みんなでそこに住んでいる人がいるおかげで、少なくとも日本の国土はあそこまでいっているのであって、竹島みたない騒ぎにはならない。大きなところだと思うんです。そういった意味では、小さくてもそこに存在してもらっているが故にという部分は、大陸棚の話を含めて、極めて幅広い観点からも考えておかなければいかんところなんだと思いますので、そういった意味では、どんどん皆大きくしていったらいいのかというと、別の観点からも考えておかなければいけないという点は、私どもも、これは非常に大事なところだと思っておりますので、交付税の話にも関係してまいりますが、これが交付税というひとつの調整機能というものは、今後とも維持せざるを得ない。また、されてしかるべきもんだと思っておりますので、税源は移譲されたけど、対象になる企業もなければ、人も住んでいないところに税の権限だけ移譲されても、とる相手がおりませんから、そういったところには、交付税という制度が今後とも必要であって、縮小とか何とかいろいろな話が出ているところは知らないわけではありませんけれども、現実、約3,130あります市町村をやってまいります場合には、必ず必要なもんだと思っております。
 工程表ということにつきましては、これは、地方公務員4万人の削減とか、地方単独の事業につきましては、平成2〜3年度並みにしてくださいとか、一般の行政経費につきましては、単独につきましては、今年度以上増やさないでください等、一応の目安がありますけれども、さらに、いろんな意味でこういう工程表というのは、今後とも要るところもあろうと思いますので、これは難しくして、出すとおまえ介入過多やと言われますし、出さなければ出さないで、また何か言われますので、どのみち何かを言われるということかなと思わないでもないんですけれども、とにかく、今、言われたところは、そうだと思っております。
 それから、山本町長からお話がありました国の出先機関の話につきましては、これは第27次の地方制度調査会の答申の中でも、道州制に移行する場合につきましては、国の地方支分部局が持つ権限につきましては、これは例外的なものを除いて道州に移せという話は、これは載っていたとおりだと思うのです。ただ、これはひとつだけ覚悟していただかなければいかんところだと思うんですが、移行するまでの間、多分、県の役人と国の役人が席を並べることになるわけです。だって同じところにいるわけですから、そのときに、それを合併してひとつにするといったら、そんなに人は要りませんから、削るとなったときには、気がついてみたら国の人間だけ残って、県の人間は全部いなくなったといって、それは国の押しつけじゃないかとは言わないでくださいね。そこのところだけあらかじめお断りしておきます。選ばれるのは知事さんであり、選ばれるのは、そこの地元の方が採用されるわけですから、人材の優秀な人間をやってみたら、結果的に残ったのは、国が8割で地方が2割だったと。地方が8割も切られて、ふざけるなというような話は必ず出ますから、これは民間の合併でも同じ話ですので、そういった点は、組合対策、自治労対策というものは、これは首長さんとしては真剣に考えていっていただかなきゃいかん問題じゃないかなというような感じが正直なところです。
 これまでの間、この種のことを開かれても、小泉という人が総理になるまでの間は、これだけラディカルに事が進んだというのは、私がこの業界に足を踏み入れて二十数年になりますけど、これだけパッパッと事をいい悪いは別にして、評価あるなしを別にして、評価されるところと全然されないところといろいろあるんですが、とにかく、形を変えようとして前に動いたことだけは間違いないと思うんです。私らも、ちょっと待ってくれと言いたいところがいっぱい、正直言ってないわけではありませんけれども、内閣の一員になりましたので、政調会長のときはもうちょっと言えたんですけれども、なかなか発言は控えなきゃいかん立場になりましたもんですから、ちょっと表現はおまえらしくないと言われるかもしれませんけれども、これでも結構控えめに発言しているつもりなんです。
 最後になりましたけれども、滝先生の話につきましては、これは全く、私もこの連邦制という話をよく聞くんですけれども、例えば、この国は長い間、いろいろ国だけで独立してまとまっていた時代というのが、平安時代で350年間、江戸時代で270年間、いずれもまとまっていた間に、いろいろその地域独特の文化ができ上がって、あの人の言葉じゃありませんけれども、一国でひとつの文化圏と文明圏を構成しているのは日本だけという、トインビーだったか、誰かの言葉がありましたように、今、東北で岩手、青森、秋田で合併するなんてという話をしておられますけれども、失礼ですけれども、佐々木先生がいらっしゃいますが、これははっきり言って、おれたちが何で津軽と一緒にならなければいかんのやと、大体そこから始まりますので、話はものすごく難しい、言うのは簡単ですけれども、南部と津軽の争いなんぞは、延々とお二方で楽しそうにかどうか知りませんけれども、国会議員の間でも延々と言っておられますので、本当にできるかねと、やるならやってみてくださいと申し上げているんですけれども、なかなか難しいところだと思います。
少なくとも、アメリカの全人口の半分がカルフォルニア州に住んでいるのと同じという日本の状況がアメリカ人にできるかといったら、今より弁護士を、あと何万人増やせばできるんですかと言いたくなるぐらい難しいと思うんです。これだけの高い人口密度の中で、これだけの少ない弁護士で、これだけ喧嘩もせず、そこそこやれるというのは、よほどの歴史的なノウハウみたいなものが多分あるんですよ、この国には。そういったものを無視して、ただ、いきなりポイと効率だけでやれるかなというのが正直なところなんですけれども、いずれにいたしましても、無駄は省かなきゃいかんという点は確かだと思いますので、基本的には、道州制というものは、北海道というのは、函館県とかいろいろ分かれておりましたのが、結果的に、今、道になったという経緯、そのころ生きておりませんので知りませんけれども、そういった話から含めて、いろいろな経緯はあったんだと思います。
 まとまってひとつの効率が上がれば、それはそれでよろしいでしょうけれども、効率だけでは割り切れませんので、今でも町村合併は随分やらせていただくことになって、おかげで随分事は進みつつありますけれども、地名に関しては非常に思い入れがあるので、うちの村の地名がなくなるのは断固許せぬという話等につきましては、これは区として名前だけは残せるというような形で、いろいろ知恵は出しておるつもりなんです。そういった意味で、いろんな角度から、この道州制というものは考えられてしかるべきで、効率だけとはなかなか割り切れぬものがありはせんかなというご懸念は私も共有しております。
 いずれにいたしましても、204兆円に上ります地方財政の借金というのは、何とかしないと放っておくわけにはいかんなというところもありますが、基本的には何となく、この種の町村合併とか、道州制の話は、どうも日本の場合はお金が足りなくなったからという、税制の話とか、財政の話とか、何となく話が矮小化されますけれども、本来は、地方にできることは地方にできるようにするためには、地方はそれを受け入れるだけの行政能力、財政能力等々が基礎としてしっかりさせるためにというところが一番のもとだと思いますので、それをやらせるためにも、ある程度財源がという話は確かだと思いますが、財の方から先に入らず、別のところから、本来の目的から事を進めないと話が非常におかしなことになりかねないという点は、今、この数か月予算委員会等々で議論をさせていただいても、各議員さんの発言もほぼ似たような点をつかれますので、同じようなお気持ちなんだと思います。かといって、財を無視してできるわけではありませんので、いろいろな角度から真剣に取り組みたいと思っております。
○諸井会長 麻生大臣、どうもありがとうございました。麻生大臣は公務のため、ここでご退席をされます。お忙しいところ本当にどうもありがとうございました。
○諸井会長 先ほど内閣総理大臣から今次調査会に対して、道州制のあり方、大都市のあり方、その他、最近の社会経済情勢の変化に対応した地方行財政制度の構造改革について諮問がございました。この諮問文を皆様の方にお配りをしていただきたいと思います。
○中馬委員 麻生大臣に申し上げることじゃなくて、この会の運営といいましょうか、問題のとらえ方でございますので、この場で発言させていただきますが、私、25次か26次のときに申し上げましたように、今回、特に道州制の問題が始まりまして、その形のことだけが議論になることを、私、ちょっと恐れております。そうではなくて、あくまで地方自治というのは、基礎的な自治体が、それこそ基礎でございますから、このあり方をどうするかというところに、かなり踏み込んでいかなければいけないんじゃないかと思います。
 日本の戦後の基礎的な自治体のあり方は、ちょっと本来の姿ではないと思っています。戦前の日本の村や部落といいましょうか、そういうひとつの集落のあり方、現在でもヨーロッパに健在する、またアメリカもそうでございますけれども、小さな自治体はかなり自立した形でございます。それらは、役場の人間がせいぜい、15人とか、20人ぐらいのところから、多くても四、五十人のところがほとんどなんです。まちの人たちが、村の人たちが自分たちでそのまちをつくっていこうという、その合議体のようなものでございまして、もちろん、そういうところでの地方議員はボランティアです。まして年金がついているようなところはありません。そのような自立した町や都市が日本の自治体であり、それを大括りにするのが道州制だと、私はそのように認識したいと思っておりますので、地方自治体、基礎的な自治体のあり方に、国民の自治意識も含めて、かなり踏み込んでいかなければいけないじゃないかと思っています。そのような補完的な事項も審議していただきたいと思います。
○佐々木委員 先ほどの山本会長さんからもお話がありましたけれども、とにもかくにも、地方の意見を十分に聞いたほしいという、これは本当に切実だと思うんです。私は北海道ですけれども、私の地元でも、旭川を中心にした北の方ですけれども、合併問題では本当に各自治体は苦労しています。これは単純に町長さんがいなくなるとか、議員がいなくなるとかという問題ではなくて、そのまちや村として合併することでよくなるというのならいいんだけれども、今の合併促進法に基づいてということになるんでしょうけれども、半ば、お金の問題くっついていて、これを進めなければお金の方で面倒見てもらいたいと、現に交付金もどんどんお話のように減っているわけですし、本当は財政的にやれるんだったら、それぞれのまちが、例えどんなに人口が少なくたってやっていきたいという気持ちを持っているのは間違いないんですよね。
 昨年、北海道の奈井江町では住民投票をやりましたけれども、これは子どもさんも投票権を与えてやったんです。子どもの方が合併に反対だったのが多かったんですものね。ということを見ても、やはりそこに住んでいる、そこに生まれた人たち、あるいはそのまちや村をつくってきた人たちというのは、そこに愛着を持つというのは間違いない。ただ、財政的にやっていけないからということでは、非常に消極的だと私は思っております。
 それと地方自治というのを、私たちはもうひとつ考え直さなければいけないのではないかと思うんです。日本の我が国の場合には、地方はあったけれども、地方自治という概念は、あるいは感覚は少なくとも今の憲法ができるまではなかった。地方はあったけれども、地方自治はなかったわけですね。ですから、そういう意味で、私は今の憲法の中で、この地方自治というのは、平和だとか、人権だとか、それから国民主権という3つの原則と言われますけれども、地方自治を加えて、4つの原則と言っても、原理と言ってもいいんじゃないだろうか。3つに集約すれば、民主主義、主権在民と結びついているのが地方自治だと思うんですけれども、必ずしも、これが十分に生かされてきていないというところに問題があるんじゃないか。今度も27次で合併についての方針が、この調査会の意見としても出てはいるにしても、どうも今の政府が、それを受けてやろうとしている合併の仕方というのは、どうしても、私は中央主導に思えてならないわけですよ。もっと地方の実情を見極めて、よく理解してやらないといけない、形だけ合併しても、決してそのことが地方に対してもいいものになるとは思えないし、また、バランスのある国の発展、国の形というものができていくとも思えない。そのことを心配いたします。
 特に、私どもの北海道の場合には大変広域ですから、合併をすると非常に無理が強いられるというようなこともありますので、この辺のことはおいおい、私どもとしても、また申し上げていきたいと思いますけれども、いずれにしても、さっき山本町長さんが言われたように、地方の意思をできるだけ大事にしていただきたいということを、私ども申し上げていきたいと思います。
 私はずっとこの委員会に出ていまして、町村長会長の言うことに最も同感するものであります。もっと重く受け止める必要があるだろう。というのは、そこがだめになったら、日本国はだめになるという認識を強く持っております。ただ、私は市町村合併について反対しているじゃなくて、財政力からいっても、行政力からいっても、また住民の生活上の安全という面からいっても、特に福祉、消防、その他の問題がかかわるんですが、合併によって一定の規模を持つことは重要だというふうには思っています。しかし、さりとて町村が抱える問題、諸問題はあるわけでして、一定の規模が必要だという一般的な認識と、個別に抱えている重要問題というものを、どこで整合をとるかということを考えるのが、我々地制調ではないかというふうに思います。ですから、常にそういう発言をしてきたつもりでございますが、今後の運営に当たっては、そこを壊したら、どうにもならなくなる。ならば、次善の策として、どういうシステムをつくればいいのかということについても考えていくべきだろうというふうに思っています。
○諸井会長 それでは、続きまして、総理からの諮問についての今後の審議のやり方についてお諮りをしたいと思います。従前から、この地方制度調査会では専門小委員会を設置しまして、専門的に議論を行い、ある程度審議が進みますと、その段階で総会にご報告をいただきまして、ご意見を承って、また審議する、そういうやり方をやってまいりまして、今回もそうした専門小委員会を設置することとしてはいかがと思うんでございますが、いかがでございましょうか。よろしゅうございましょうか。
○諸井会長 それでは、そういうことにさせていただきたいと思います。専門小委員会のメンバーにつきましては、前例によりまして、会長から指名をさせていただきたいと思いますが、それでよろしゅうございましょうか。
○諸井会長 ご異議がないようでございますので、ご指名をさせていただきます。専門小委員会の委員になっていただく方は、前例によりまして、お手元の委員の名簿の学識経験者の委員18名、それから、臨時委員になっていただいております3名の方、そうさせていただきたいと思います。専門小委員会の皆さんには大変恐縮でございますが、何分よろしくお願いをいたしたいと思います。
○諸井会長 それでは、小委員長には第27次に引き続きまして、松本委員にお願いをしたいと思います。ご多用のところ誠に恐縮でございますが、松本委員、よろしくお願いいたします。一言ご挨拶を。
○松本小委員長 ご指名をいただきました松本でございます。諸井会長、小早川副会長、皆様方のご指導とご支援によりまして、微力ながら務めさせていただきたいと思います。どうかよろしくお願いいたします。
○諸井会長 どうもありがとうございました。最後に運営委員会の設置についてお諮りをしたいと存じます。
 従来の例によりますと、本調査会総会の運営につきまして、種々ご相談を願う機関として運営委員会を設置することになっておりますので、この度もそのようにさせていただきたいと思いますが、いかがでございましょうか。
○諸井会長 ありがとうございます。ご異議がないようですので、運営委員会を設置することといたします。また、運営委員会のメンバーについては、前例によりまして、私から指名させていただくことにしてよろしゅうございましょうか。
○諸井会長 ありがとうございます。ご異議がないようでございますので、私から指名をさせていただきます。小早川委員、神野委員、西野委員、浜田委員、石井委員、山出委員、山本委員、以上7人の方にお願いをいたしたいと存じます。よろしゅうございますか。運営委員長には副会長の小早川委員にお願いをしたいと思います。いかがでございましょうか。
 以上をもちまして、本日予定しておりました審議はすべて終了いたしまして、本日出されましたご意見は、今後の審議の中でできるだけご趣旨を生かしてまいりたいと思います。今後の日程等につきましては、改めて事務局よりご案内をさせていただきますので、よろしくお願いをいたします。

 

[ 500] 第28次地方制度調査会 第3回総会 次第
[引用サイト]  http://www.soumu.go.jp/singi/No28_sokai_03.html

○諸井会長 時間がまいりましたので、ただいまから地方制度調査会第3回総会を開会いたします。委員の皆様には、ご多忙の中をご出席いただきましてまことにありがとうございます。
 さて、議事に先立ちまして報告をいたします。本年8月30日付けで委員の異動がございました。全国都道府県議会議長会でありますが、会長の異動に伴い、中畑保一委員が退任をされまして、上田信雅委員が就任をされました。上田先生、どうぞひとつご挨拶を。
○諸井会長 それでは、早速議事に入らせていただきますが、当総会が始まります前に、運営委員会が行われましたので、まず、その結果につきまして、運営委員長からご報告をお願いいたします。
○小早川運営委員長 座ったままで失礼いたします。総会に先立ちまして、先ほど運営委員会を開催し、本日の総会の運営等について相談をいたしました。その結果、本日の総会におきましては、道州制に関する調査審議経過及び地方税財政のあり方についての意見の案についてご審議をいただきたいと存じます。
○諸井会長 ありがとうございました。運営委員長からのご報告にありましたように、道州制に関する調査審議経過及び地方税財政のあり方についての意見案について審議をしたいと存じます。
 まず、専門小委員会における審議状況について、松本専門小委員長からご説明をいただきたいと存じます。
 本専門小委員会におきましては、6月8日の第2回総会において整理した審議項目とその論点を受け、数次にわたり意見交換を行ってまいりました。この間、道州制のあり方については、主要な行政分野における国と地方の役割分担、調整等を議題とした2回を含めますと、合計6回の専門小委員会で審議を行ってまいりました。ここで、とりあえず道州制のあり方について今までの審議経過を整理しておきたいと考えたところでございます。また、地方税財政に関しましては、国庫補助負担金改革、税源移譲、地方交付税改革を含む三位一体改革が各方面で議論されている状況を踏まえ、現在進行中の地方税財政改革が地方分権推進の観点を十分に踏まえたものとなるよう、地方制度調査会として意見を述べておくべきであるというご指摘が複数の委員からございました。このため、地方制度調査会の意見として原案を専門小委員会としてとりまとめたものでございます。
 以上から、本日の総会において道州制に関する調査審議経過及び地方税財政のあり方についての意見案をお諮りすることとなった次第であります。
 それでは、専門小委員会でとりまとめました調査審議経過及び意見案につきまして事務局から朗読させます。
 当調査会では、去る3月1日の第1回総会において内閣総理大臣からの諮問を受け、「最近の社会経済情勢の変化に対応した地方行財政制度の構造改革」についての調査審議の主要項目として「道州制のあり方」に関する調査審議を進めている。
 6月8日の第2回総会においては審議の論点を整理し、これに従って、専門小委員会において、「国と地方の役割分担」、「都道府県の現状と課題」、道州制に関する検討の必要性、道州制の制度設計に関する論点、国の地方支分部局の概要」等に関する議論を行ってきたところである。
 専門小委員会における調査審議では、それぞれのテーマに関して委員から幅広い意見が示されており、今後、道州制に関する検討をさらに進めるために、これまでの調査審議の経過を整理することは意義のあることと考える。
 そこで、まず国・地方の政府のあり方と地方分権(I)についての考え方を示し、道州制が求められる要因(II)を整理するとともに、今後の道州制の制度設計における主要な検討事項(III)を掲げることとする。これらが、道州制に関する議論を深める上での一助となることを期待したい。
 すなわち、我が国を取りまく国際環境が激しく変化する中で、国際社会における責任ある一員としての日本に対する期待は高まっており、我が国が主体的な役割を積極的に果たしていくためには、肥大化し硬直化した国の組織を改革し、重要な国家機能を有効に遂行し得る簡素・効率的・透明な政府を実現することが必要である。
 しかしながら、現状を見れば、中央省庁は、地方公共団体に対する法令による規制や補助金等を通じ、広範な分野において依然として濃密な介入を続けている。これを反映して、地方公共団体が自らの判断と責任において地域における課題に対応するという分権型社会は、未だ実現しているとはいい難い。
 このような新しい政府像への転換は、ひとり国の改革のみにより実現されるものではない。地方公共団体、とりわけ国と基礎自治体との中間に位置する広域自治体のあり方について、新しい時代に即したものとなるよう見直しを行い、国・地方公共団体双方の政府のあり方を再構築することによって実現できるものである。
 明治期に確立された地方自治制度では、府県は、官選の知事を長官とする国の総合出先機関(普通地方行政官庁) であると同時に、地方公共団体としての地位を有するものであった。その後の府県制等の改正により、次第に地方公共団体としての機能を充実していったものの、戦前においては、国の総合出先機関としての色彩が濃い存在であったといえる。
 戦後、まず都道府県知事及び市町村長が住民の直接公選によって選ばれることとなり、さらに日本国憲法及び地方自治法の制定によって、都道府県の性格は抜本的に改められることとなった。すなわち、地方自治制度は憲法による保障を受けることとなり、都道府県は市町村と並び、地方公共団体として明確に位置づけられることとなった。
 この歴史を振り返れば、地方分権一括法による改革では、機関委任事務制度の廃止に加え、国と地方公共団体の役割分担の明文化、国の関与のルール化などが一括して実現されたことにより、都道府県の法的地位に変容があったものと見るべきである。都道府県は、この改革によって、純粋な意味における広域の地方公共団体となったと考えられる。
 都道府県の性格は、このような経過をたどり変化を遂げてきた。一方、明治期から今日に至る間の都道府県を巡る状況を見れば、市町村数は合併によって大幅に減少し、経済圏や生活圏は、交通基盤の整備に伴って都道府県の区域を越えて拡大してきている。また、個別の都道府県を見れば、人口や経済規模といった基礎条件に関する格差の拡大も見られる。
 この点に関しては、規模・能力が拡大した基礎自治体との役割分担の下に、都道府県が広域自治体としての役割を十分に果たしていくため、都道府県合併によって区域の拡大を図ることが考えられる。今般、第27次地方制度調査会の答申(平成15年11月13日) に基づく地方自治法改正により、都道府県の自主的合併の手続きが整備されることとなった。その活用により、今後、現在よりも広域の都道府県が誕生し、これに中央省庁からの権限移譲を進めていくことが期待される。
 分権型社会では、地域の課題については地域住民が主体となって対応していくことを基本とし、地方公共団体が住民組織やNPO等と協働して新たな公共空間を創造していくことが期待される。
 こうした社会にふさわしい行政のあり方を考えれば、まず基礎自治体が、「補完性の原理」や「近接性の原理」に基づき、福祉や教育、まちづくりなど住民に身近な事務を中心に地域における行政を総合的に担っていくことが求められる。
一方、広域自治体は、経済産業振興、雇用政策、高度な社会資本の整備、国土・環境保全、広域防災対策といった広域的な役割を積極的に担っていくことが求められる。
 このような見地に立って地域における行攻のあり方を考える場合、主として次のような要因から、道州制の導入に関する検討が求められることとなると考えられる。
 今後、基礎自治体の規模・能力の拡充や団体数の減少が進むことによって、基礎自治体の補完や連絡調整に対するニ一ズは実際に減少し、広域自治体経済産業振興をはじめとする広域的な役割に軸足を移していくこととなる。すなわち、このような分野における圏域の自立的な発展のための戦略的な行政の展開こそが、実態面においても、これからの広域自治体には求められるのである。
 経済のグローバル化のなかで、東アジア地域は世界経済の主要な一極に成長した。我が国の各地域からのアクセスが容易な東アジア市場を視野に入れれば、各地域がその特性に即した経済戦略に基づく産業政策を推進することによって、東京圏を介することなく、国際的な圏域間競争・連携・交流を進めることが現実のものとなりつつある。
 国内における経済活動や政治行政に関する諸区画、またヒトやモノの交流・移動圏域などを見ると、市町村や都道府県を単位とするものに加えて、都道府県の範囲を越えた相当広域のいわゆるブロック単位のつながりやまとまりが認められるようになっている。
 これらの課題の範囲や性質にかんがみると、これまでの都道府県を単位とする取組みでは総合的、戦略的な対応が難しい面があり、複数都道府県を単位として相互補完することが求められることを踏まえれば、今後は、原則として都道府県の区域を越える広域の圏域を単位として対応していくことが望ましい。
 また、広域自治体に期待される役割の変化により、その組織や運営のあり方も自ずと変化が求められることとなる。例えば、圏域における政策決定を的確に遂行していくためには、現在の都道府県の業務を前提とした議決機関のあり方、また執行機関の補助機関や内部組織のあり方を、戦略的・機動的なものに見直すことが必要と考えられる。
 道州制の制度設計に際しては、地方分権改革の理念、すなわち国と地方公共団体の新しい役割分担のあり方に基づき、地方公共団体が地域における行政を自主的かつ総合的に実施する役割を広く担うとの考え方を基本として、地方分権を拡充・強化する方向を目指すべきである。
 この点については、第27次地方制度調査会の答申も指摘するように、連邦制の下では、連邦政府と州政府の間の立法権の分割、地域代表としての議院の創設、違憲立法審査権・立法権分割の審判者としての司法権のあり方など憲法の根幹部分の変更が必要となること、連邦制は歴史的・文化的・社会的に一体性、独立性の高い連邦構成単位の存在が前提となることなどの間題があり、我が国の成り立ちや国民意識の現状から見ると、連邦制を制度改革の選択肢とすることは適当ではないと考えられる。
 次のページは別表でありまして、道州制を導入する場合に想定される国と地方公共団体との役割分担のイメージをここに事務の例示を挙げながら示しております。1つのカテゴリーは、国が区画立案から管理執行までを一貫して担う事務として外交、防衛、安全保障などを例示して挙げております。
 2番目の大きな括りは、道州、市町村が担う事務でありまして、最初のカテゴリー以外の事務は、広く道州、市町村が担うこととなるわけでありますが、そのうちまず、道州が担う事務として一定のものを例示して挙げております。
 次のページですけれども、市町村が担う事務として幅広い事務が考えられるわけですが、一定のものを例示しています。
○椎川財政課長 それでは資料2「地方税財政のあり方についての意見(案)」を読み上げさせていただきます。
 国と地方との役割分担や責任分野を明確化するとともに、地方が責任を持つべき分野について自己決定と自己責任の原則を徹底する地方分権改革は、平成12年の地方分権一括法の施行を経て新たな設階を迎えており、地方税財政の問題が残された最重要課題の一つとなっている。
 地方分権改革の基本にあるべきことは、公共サービスは住民の身近において提供されることが最も相応しく、かつ、それが国・地方を通じる政府の効率化につながるということである。つまり、国民のための改革ということでなければならない。したがって、税源移譲、国庫補助負担金、地方交付税の三位一体の改革にあたっては、この視点をしっかりと踏まえる必要がある。
 なお、この改革を行うにあたっては、国と地方の信頼関係の維持が極めて重要な要素であり、そのことを肝に銘じなければならない。
 政府は、「経済財政運営と構造改革に関する基本方針2004」(以下「基本方針2004」という。) により、3兆円規模の税源移譲を目指すこととしており、そのため、その前提として残る3兆円程度の国庫補助負担金改革の具体案を、地方に対して取りまとめるよう要請し、地方六団体は、これを受けて案を取りまとめ、去る8月24日に総理へ提出した。いろいろな意見がある中で、地方六団体としての統一した案を取りまとめられたことは、敬意を表すべきものであり、これは、地方分権に向けての決意の表明である。政府としては、地方からの改革案を真撃に受け止め、11月半ばを目途に全体像を取りまとめることとしているが、現時点では、案が示されなかったり、地方分権に逆行するような案が出されたりするなど、関係方面の足並みがそろっているとは言えず、重要な局面を迎えている。また、交付税改革については、財務大臣が地方財源不足7.8 兆円を平成18年度までに解消するとの提案を行ったことに対し、国と地方の信頼関係を崩し、三位一体の改革に重大な支障を及ぼすものであるとの声が相次ぐなど、予断を許さない状況にある。
 当調査会としては、このような税財攻面での分権を進める上で重要な分岐点ともいえる現在、政府が進めようとしている三位一体の改革が地方自治の本旨の実現という地方分権改革の流れに沿って、住民主導の行攻システムを実現する方向で着実に推進されるよう意見を取りまとめることとした。
 その方法については、応益課税としての税の性格の明確化や偏在性の少ない地方税体系の構築を進める観点から、個人住民税所得割の10%比例税率化による所得税から個人住民税への税源移譲によるべきである。
 税源移譲による地域間の財政力格差の問題については、地方交付税により適切な対応を図るべきであるが、税制面においても経済活動の実態に即した税収帰属を図る観点からの法人事業税の分割基準の見直し、地方譲与税の譲与基準の見直し等を通じた財源の均てん化を検討すべきである。
 地方六団体において取りまとめられた改革の具体案は、政府から要請を受け、大局的な判断に立って取りまとめた統一案であり、政府としては、この案を尊重し、3兆円規模の税源移譲を確実に実施できる国庫補助負担金の改革に全力で取り組むことが必要である。
 その際、地方の改革の具体案に掲げられた個々の補助金に着目した議論に終始するのではなく、国庫補助負担金を総体として、いかなる姿へ改革するかといった視点が求められている。
 なお、公共事業関係の国庫補助負担金について、財源が建設国債であるので税源移譲になじまないとの議論もあるが、その償還は最終的に国税で賄われるものであり、相応分の税源移譲は当然必要である。
 また、地方の自由度拡大と併せて国庫補助負担率を引き下げるという議論があるが、真に地方の自由度の拡大というためには、制度の基本的部分を地方の自主的な判断に委ねるということが不可欠である。したがって、こうした意味で地方の判断を許容し、地域格差が生じることを国民が受け入れるとは考えられない生活保護、国民健康保険等の分野において、国庫補助負担率の引き下げを行うことは、断じて行うべきではない。
 三位一体の改革、特に3兆円の税源移譲とこれに見合う国庫補助負担金の廃止・縮減を円滑に進めるためには、教育・福祉等基本的な行政サービスについて、国庫補助負担金を廃止・縮減しても、地方団体が引き続きしっかりと取り組めるよう、地方交付税制度により万全の財源調整及び財源保障を行うべきである。
 また、国と地方の信頼関係を維持しながら改革を進めていくためには、国の歳出の見直しと歩調を合わせて、地方歳出を見直し、抑制する一方、地域において必要な行政課題に対しては、適切に財源措置を行う必要がある。
 なお、所得税から個人住民税への税源移譲に伴う交付税法定率分の減少については、確実な補てん措置を講じるべきである。
 中期的には、国民的合意を前提に、行政サービスや国の関与のあり方の基本を見直し、これに対応した地方財政計画の歳出水準を設定し、その見通しを示すべきであり、これに沿って、必要な地方交付税総額が確保されるよう、現在の特例措置を整理して交付税率を引き上げるなどの見直しを行うべきである。
 こうした改革により、地方交付税の総額について予見可能性が高まり、地方団体にも、中期的にどの程度の地方交付税が配分されるかが分かることになるので、その見通しを立てながら、自己責任の下で、行財政改革やサービス水準の見直しに取り組むことが可能になるものと考える。
 地方交付税の算定方法については、地方公共団体の標準的な経費について民間委託等による効率化努力を一層促すような積算にするなど、地方の自主的・自立的・効率的な財政運営を促す方向で見直しを行うとともに、法令基準や国庫補助負担金制度による国の関与の廃止・縮減に対応した地方交付税の算定方法の簡素・中立化を一層進めていくべきである。
 さらに、三位一体の改革やこれに引き続く地方税財源の拡充等を進め、不交付団体である市町村を増やすことによって、できるだけ早期にそこに住む住民の割合を3分の1程度とすることを目指すべきである。
 平成16年度の地方財攻対策によって、地方交付税及び臨時財政対策債がマイナス12%という大幅な減となったにもかかわらず、財務省等がさらなる地方交付税総額の大幅な削減を主張している。そのような事態に立ち至れば、平成17年度は多くの団体で予算が編成不可能となり、住民生活に重要な影響を及ぼすとの声が強い。三位一体の改革を真に成功させるためには、国と地方の信頼関係が不可欠であり、地方団体の安定的な財政運営に必要な一般財源総額の確保が改革の前提であることから、平成17年度の地方財政対策においては、地方交付税の所要額を必ず確保すべきである。
 なお、国・地方を通じて巨額の財源不足が常態化し、長期負債残高を急増させながら行政サービスが行われている現状を踏まえれば、今後は、歳出効率化努力をさらに尽くしつつ、諸外国より負担水準が低い個人所得課税や消費課税において、定率減税の縮小・廃止、中期的な視点に立った消費税・地方消費税の税率引上げ等の税収増加対策に取り組むことが是非とも必要であると考える。
 それでは、ただいまの報告及び意見案につきまして、皆様からご意見、あるいはご質問等をお受けしたいと思いますが、いかがでしょうか。どうぞ石井委員。
○石井委員 岡山県知事の石井でございます。道州制のあり方についての中間報告ということでもございますので、まず私の方から意見を述べさせていただきたいと思います。
 道州制のあり方についてでございますけれども、今回示されております道州制に関する専門小委員会における調査審議経過、これにつきましては、ここで整理をされましたこの論点、これにつきまして、今後議論をぜひ深めていただきたい。今後議論を進めていく上でも、この論点は必要なものと考えております。
 そしてその中で最も大切なことは、最初の1ページから2ページあたりにも書いてございますけれども、国から地方へ、「地方にできることは地方へ」と、こういうことが記述されておりますけれども、いわゆる地方分権改革、この理念を踏まえまして、これからの国と地方のあり方、国の事務がこれだけ大きく国際環境が変化している中でどういう事務を国がこれから遂行されるのか、国の組織はどうあるべきなのかと、こういったようなことを含めて国と地方の役割分担のあり方、これを根本から考え直していく、真の地方分権改革を進めていくのだと、こういう立場からぜひ議論を深めていただきたい、このように考えております。こういった議論をする中で道州制を含むこれからの広域自治体のあるべき姿、これが自ら具体化してくるものと考えております。
 これまで知事会の方でも、地方のブロック知事会議であるとか、あるいは各都道府県の研究会において、調査研究を行うところも出てきております。私ども岡山県でも、この間、中国地方知事会でも道州制を含む広域自治体のあり方を議論しております。全国知事会でございますが、8月に道州制研究会を設置いたしまして、現在議論を進めております。道州制そのものの是非を含めまして、地域の自立的発展を図り、広域的な行政課題に対応するための広域自治体のあり方、また先ほど申し上げました国と地方の役割分担のあり方、こういったことにつきまして幅広く検討を今進めております。今後こうした検討の成果をもとにいたしまして、本日のメモに示されている論点を含めまして、道州制のあり方につきまして、全国知事会としての意見を申し述べていきたいと、このように考えておりますので、ぜひ我々の意見を反映していただきますようにお願いをいたしたいと思います。
 先ほどの資料の2の中でも触れておられますけれども、我々8月24日、地方六団体が一丸となりまして、政府からの補助金改革案のとりまとめの要請を受け、この国庫補助負担金等に関する改革案を提出したところであります。その後、国と地方の協議の場が4回開催されているところでありますが、各省庁の大臣から出てきております回答は、現在の補助金制度を守る議論が中心となっておりまして、代替案を見ておりますと、単なる国庫補助負担率の引下げとか、あるいは交付金化、これが提示をされるなど、この地方分権改革の趣旨が全く理解されていない状況であります。いわば全体として見ますと、ゼロ回答に等しい内容でありまして、到底我々受け入れることができない内容となっております。
 また、これも先ほど資料2に触れておられますけれども、谷垣財務大臣から示されております平成17年度、18年度の2か年間でさらに7.8 兆円もの地方交付税を削減すべきであるとのご主張でありますが、これは地方交付税が地方の固有財源であると、このことを無視する提案でありまして、国と地方の信頼関係を揺るがすような、そういう案になっていると言わざるを得ないわけであります。
 ご案内のとおり、平成16年度予算、この際にも2.9 兆円の大幅な削減がありまして、これは我々から申し上げれば、国の財政再建のみを優先した地方交付税の大幅な削減であったと言わざるを得ないわけでありますけれども、このことによって我々地方公共団体の財政運営に大きな支障を来たしました。財政調整基金を大幅に取り崩すとか、あるいはできる限り起債、借金ができるところは全部それを当てはめるといったようなことで、やりくりをする中でようやくぎりぎりの予算編成をしてきたという経過がございまして、これらは骨太の方針の閣議決定の趣旨と内容が反映されたものとなっていないと、このように考えておるところでございます。
 三位一体の改革は、言うまでもなく地方の自由度を高める、そして自主性を大幅に拡大していくという真の地方分権改革であります。そしてひいては、国と地方を通じました財政再建にも資する広い意味での行財政改革でもあるわけでございます。もとより、国と地方の財源の奪い合いではない。このことをぜひご理解を賜らなければならないと考えているところであります。
 政府におかれましては、我々の改革案の趣旨を盛り込んだ全体像を速やかに決定され、確実な税源移譲の実施、そして地方税、地方交付税等所要の一般財源の総額確保を行うことがぜひとも必要であります。今後の審議に当たりましては、我々地方の意見を十分に反映したご議論をお願いすることといたしまして私の意見とさせていただきます。
○上田委員 全国都道府県議長会会長の上田信雅であります。今、石井委員からのご発言とやや似ておる面が多々あろうかと思いますが、お許しを願いたいと、このように思う次第でございます。
 初めに道州制についての意見を申し述べたいと思いますが、都道府県は、地方分権一括法により、広域の地方公共団体としての性格が明確になりましたが、その区域は明治21年以来、特段の見直しはなく、基本的に今日まで維持されてきております。一方、市町村の数は、平成の合併によって大幅に減少するとともに、経済圏や生活圏は都道府県の区域を越えて拡大し、経済・産業の振興や国土保全など広域的な政策課題への取組みが大変重要になっておるかと思います。他方、広域的な事務については、かねてより都道府県と国の出先機関との二重行政の弊害が指摘され、広域の圏域における総合的な政治行政主体の構築が求められております。こうしたことから、新しい地方分権時代にふさわしい規模・能力を有する広域自治体を構築するという観点から、都道府県の合併だけではなく、道州制のあり方について検討することは大変重要であると考えるのでございます。
 しかしながら、現段階では、道州制に対する国民の理解や盛り上がりはまだ十分とは言えないと思います。21世紀における広域の地方公共団体のあり方について、地方制度調査会において幅広く検討を重ね、今後道州制に関する国民的な議論を深める上で必要な材料を提供していただくことは大変有意義なことであると、このように思っておる次第でございます。都道府県は、人口や経済規模その他、置かれた状況は様々でありまして、道州制に対する関心も様々でありますが、各都道府県議会において、地方制度調査会の審議を参考としながら道州制に関する議論を深めてまいりたいと、このように思っております。
 次に、地方税財政のあり方についての意見について全面的に賛成する見地から意見を申し上げます。
 三位一体の改革については、現在「国と地方の協議の場」のほか、政府・与党において全体像のとりまとめについて議論が行われておりますが、地方六団体が総理に提出した改革案の趣旨とは相当乖離した意見が出されていることを大変憂慮いたしております。我々は改革案提示に当たって、前提条件の一つとして、地方交付税による確実な財源措置を示しております。ところが今般、財務大臣は、「地財計画の不適切な課題計上7兆から8兆円を2年間で是正削減する」、「地財計画の適正化により地方財源不足7.8 兆円を解消する」との提案を行っております。これは地方自治及び地方財政の何たるかを全く考慮しない国の財政の都合だけを考えている理不尽な提案であり、地方としては到底容認することはできない、このように思っております。このままでは、国と地方の信頼関係が全く破壊され、三位一体の改革の推進に重大な支障を来たすことは明らかである、このように思っておる次第でございます。
 既に政府自身閣議決定した「基本方針2004」において、「地域における必要な行政課題に対しては適切な財源措置を行う」、「地方団体の安定的な財政運営に必要な一般財源の総額を確保する」と定めているのでありますから、ぜひこれを実行して地方の改革案に沿った地方交付税の確保をお願いいたしたいと思います。また、地方の改革案に対する関係省の代替案を見ると、生活保護費や児童扶養手当などの給付に係る国庫負担率を引下げたり、国民健康保険関係の給付に係る国庫負担率を引下げ、新たに都道府県の負担を求めているが、これらは単なる地方への負担転嫁でつけ替えであり、到底代替案とは認められないものであります。
 私は三位一体の改革は、本来、地方分権推進の観点から地方公共団体の自己決定・自己責任の幅を拡大し、自由度を広げて創意工夫に富んだ施策を展開することにより、住民ニーズに対応した多様で個性的な地域づくりを推進するための改革であると考えております。政府においては、地方の改革案を真摯に受け止めて積極的に取り組むようとの総理の明確な指示を踏まえて、我々の改革案の趣旨を盛り込んだ三位一体の全体をとりまとめていただくように強く要望するものであります。大変重要な時期に迫っておりまして、我々の地方分権を推進する上でぜひ格段のご配慮をお願い申し上げたい。
○山出委員 市長会会長の金沢市長の山出でございます。まず、道州制に関してでございますが、私ども市長会におきましても、この調査会での審議に並行しまして検討会を設けてございます。道州制を見据えた都市自治体と広域自治体のあり方につきまして議論を重ねています。この検討会での議論を踏まえまして、本調査会で今後議論を深めていただきたい、このように思っております点を二、三申し上げたいと思います。
 第1に道州制の導入についてでございますが、広域自治体の将来のあり方につきましては、地方分権の推進ということを機軸にして、そして中長期的に議論を積み重ねていくことが重要、このように思っています。またその際は、基礎自治体が、現在都道府県が行っている事務権限の多くをも担当することを前提にして検討をいただきたい、このように思います。
 なお、本会の検討会のアンケートにおきましては、将来の広域自治体のあり方といたしますと、「地方公共団体としての性格を有する道州制を導入することが適当」、このような回答が最も多いということを申し上げておきます。このアンケート結果のように、道州を地方公共団体と位置づけるといたしますれば、現行の都道府県を合併・統合化することによります広域化した場合と、新たに道州制を設置する場合と、その機能・役割が質的にどう違うか、その差異を明確化することが重要、このように考えております。
 第2に、道州制における税財政制度のあり方についてでございますが、道州制がどのような税財政基盤の上に立つのか、イメージを明確にしながら道州制の制度設計と一体化して検討してほしいと、このように思っております。
 第3に、首都圏、3大都市圏などにおける道州のあり方、それから道州のもとにおける大都市等に関する制度のあり方、こういうことにつきましては、いろいろ複雑な要素もございますし、難しい議論もしなきゃならぬわけでありますが、それだけに早めに議論を深めていただくことが重要と、このように思っております。
 それから最後に、道州制の議論に関連をいたしまして、現行の都道府県制度の構造改革について検討の必要があると考えております。現在都道府県の条例によりまして、この事務処理特例制度での事務事業の移譲の仕組みというものはあるわけですが、これに止まりませんで、例えば、都道府県と都市自治体の対等協力関係の確立、それから二重行政の解消、こういうことなどについて国と地方の間における事務配分等の見直しと同様、抜本的な検討を行う必要があると、このように思っています。
 次に、地方税財政制度についてでございますが、今度の地方の三位一体改革についての改革案は、閣議決定に基づく政府の要請を受けて総理大臣に提出をしたものであります。尊重されなければならないことは当然だというふうに思っています。改革案を提出いたしまして以来、これまで4回にわたりまして国と地方の協議の場が持たれました。10月28日、各府省が提出をした代替案の内容でありますが、現行の国庫補助負担金を維持する旨の、いわば改革案に対しましてはゼロ回答、それから交付金化がいいという案、それから補助率の引下げと、こういうたぐいのものでありまして、3兆円の財源を移譲するという、これは閣議決定であったわけですが、閣議決定や地方の改革案を真摯に受け止め、改革案の実現に向けて取り組むのだという小泉総理の方針とは大きく反するものでございまして、極めて遺憾です。
 また、協議の過程にありまして、財務大臣から地方財政計画や地方交付税を7ないし8兆円も削減するという国と地方の信頼関係を根本から覆すというふうな提案が示されております。こんなことから私は3点について絞って申し上げます。
 まず地方交付税でありますが、財務大臣から示されている地方交付税削減論は、到底容認できません。平成16年度には地方交付税等が2.9 兆円も削減をされました。地方の予算編成は大混乱をいたしまして、基金を取り崩すなどのことでようやくしのいだところでございまして、来年度もこのような状況が続きますならば、多くの地方自治体は赤字団体になります。自主自立どころではなくなる、こう申し上げます。小泉内閣が誕生しまして今日まで、国と地方の一般歳出を比較しますと、地方の方が歳出削減をいたしていまして、数字にあらわれています。公務員定数はどうか。平成6年度から15年度までの数値を国と地方と比べますと、地方の方が公務員の定数の削減を余計いたしております。ここに来て財務省の言われなき中傷を聞くことは極めて残念でありまして、我々地方は、長引く不況の間、景気対策に国に真剣に呼応してきたということは間違いない事実でございますし、ここに来て洪水とか地震の被害に対応しているのは地方である。不眠不休で頑張っておる。こう申し上げて、こうした地方がやはり仕事ができるようにぜひ交付税は削減しちゃいかんと、このように思っています。また、このことは地方財政全体として、また個々の地方自治体にありましても、交付税の所要額は必ず確保する、このことが大切だと。閣議決定事項だと。閣議決定事項は、一般財源という表現でありますけれども、一般財源は税と交付税を含んでおるわけでありまして、閣議決定事項は尊重されるべきは当然と、こう申し上げたいと思います。
 第2に、税源移譲についてでございますが、国庫補助負担金を廃止して、概ね3兆円規模の税源移譲を一体的に実施することが必要でございます。また、平成16年に措置をされました所得譲与税と税源移譲予定特例交付金、合わせて約6,500 億円あるわけですが、これは3兆円とは別に実施すべきもの、このように思っています。
 第3に申し上げたいことは、補助率の引下げ、交付金化でございます。各府省の代替案には、地方の改革案で根拠を示して、わざわざ対象から除いた補助金があります。その除いた補助金を殊更削減対象にして、なおかつ補助率を下げるというものがあります。生活保護費でありますとか、児童扶養手当の給付に関する国庫負担率の引下げはまさにそうでありますし、国民健康保険関係の給付にかかわる国庫負担金にありましては、これを新たに都道府県に負担させるということが言われておりまして、三位一体改革とは無関係であります。単なる地方への負担転嫁でございまして、絶対にこのようなことはやってはいけないと思っています。また、補助金の統合とか交付金化は、国に権限を残して税源移譲にもつながらないものでございまして、三位一体改革として認められるものでもございません。
 政府におきましては、11月の半ばをめどに三位一体改革の全体像をとりまとめることにいたしております。総理大臣の発言は、地方からの改革案を真摯に受け止め、改革案の実現に向けて責任を持って全力で取り組み、早急に改革の全体像を提示して、平成17年度予算に最大限生かしてもらいたい、こういうことであります。総理の発言を私は信じたい、このように思っております。
○山本委員 今までの論点メモでご説明をいただきましたのですが、この文章は立派にできておりまして、皆さんたちも努力に敬意を表したいと思います。
 そこで私は3月1日の地方制度調査会の発足のときも申し上げました。道州制というのは、こういうときに必要になるのではないでしょうかという意見を申し上げておきましたが、それに変わりはありません。それを改めてもう一回お願いをしておきたいと思うのですけれども、都道府県と市町村の関係が現状のようなままに続くならば、道州制はあり得ないと思うのですね。いわゆる市町村が自立をし、独立をして県との関係がつながりが切れるときに、関係というのは、事務手続きが全部県を通さなくてはできないのが市町村なのです。これがなくなって市町村がそれこそ自立、独立をしたときに県との関係はなくなることになる、希薄になります。
 ただ、連携をしなければならないということは、これは言うまでもありません。だから、そういうように市町村が真の意味での基礎自治体になったときに私は道州制というのが、ただし、その場合は、ここにも書いてありますように、国が地方へ支局分局、部局を設けておりますから、それらの事務が都道府県へ全部移譲されなければならないと思う。そうしますと道州制というのが生まれてくるのです。しかも、道州制は現在の都道府県の範囲では適当ではないと思います。だから、人口は大体どれぐらいの範囲で一つの道や州にするのか、やはりこれは論点として出すべきではなかったのではないかと、そういうふうに思います。
 私は人口500 万単位ぐらいが、言うならば州もしくは道の一つのあり方じゃないか、そういうふうに思っておりましたので、これも意見で申し上げさせていただきました。そうしますと、そこに自ら人口はどれぐらいにすべきか、これぐらいの規模がいいだろうということを出しますと、初めてそこから都道府県の合併という問題が出てくると思うのですね。順序よく論点はまとめられていると思いますけれども、専門的でなくて、私どものような、言うならば、もっと一般人がわかるような論点を示していただくことの方が望ましいと、そういうふうに思います。
 さっきもちょっとお話をしたのですが、道州制と言っているけれども、一般の人たちは道州制とは一体何ですかといって、尋ねても大半の人が答えられないと思いますね。だから、「道州」という言葉はわかっても、道州制というのはどういうことをやっていくのだということがまだまだ浸透していないと私は思います。ですから、道州制というものをやるのですよと、やらなければなりませんよと。だから、やるのかやらなければならないのかといったところの論点もやっぱり整理をしておく必要があるのではないかと。これはもちろん調査会の専門小委員会の方でこれからどんどん進めていくだろうと思いますけれども、できれば、今日そこまでの論点がまとめられておればよかったなと、そういう気がいたします。どうぞひとつそういう点にご配慮いただければと思います。同じことを繰り返すようですけれども、3月の1日に申し上げたことをもう一回繰り返してお願いを申し上げておきたいと思います。
 それから、三位一体の財政改革の問題でございますけれども、書かれていることについては、もう大変立派なことを私は書かれていると思います。ただ残念なのは、私、ここに持っておりますけれども、読売新聞の今日の社説です。怒られるかもしれませんけれども、こんなことを書かれると、何か地方は罪人だというふうに言われがちなのですね。これが1億2,000 万人の国民全部に知らされておるなら話は別ですけれども、知らされるわけじゃないでしょうけれども、大半の人が知ることになる。そうしますと、地方は不必要な金をこの財政の厳しいときにどんどん使っているのではないかと、こういうふうに皆さんたちからとられがちなのです。そうしますと、住民から地方自治体の信頼を失うことになります。これが一番危険なのです。住民からの信頼を私どもが失っていきますと、何をやろうと、ここの論点の中に書かれておりますことを一生懸命やろうとしても効果は出てきません。ですから、ここらあたりは何か国として、書くのは言論の自由だというふうに言われて、その一言でこういうのは末梢されてしまいます。私はあることで申し上げたのですが、言論の自由ですから仕方がないじゃないですかというお答えが返ってきました。実にけしからぬ話だったと思ったのですけれども、そう言えば、それ以上、担当のその人たちがそれに立ち向かって、あるいはそれを解決しようという意思がなければ幾ら言っても始まりません。そういうことで、言論の自由だから何でも言っていいということであるとするならば間違っているのではないでしょうか、そういうふうに思います。実にけしからぬ話ですよ。
 ここでひとつ私は申し上げておきたいのですが、この前も政府との会議のときに申し上げたのですが、今年の災害というのは、台風と地震を含めて、昔のことを言って笑われるかもしれませんが、一箇聯隊の軍隊が全滅したのと同じなのですよ。それぐらいの人がけがしたりしているのですよ。一箇聯隊というのは、大体3,000 人編成でやっております。これが全滅するという状態になるのは、当時の軍隊では、これは大変なことなのですよ。人の数だけでいくとこれと同じなのですね。もちろん物資も大変な損失なのですよ。だから、そういうような異常な災害が発生して最後まで、さっき山出会長が言っておりましたように、これに対応して処理していくのは市町村なのです。国でもなければ県でもないのです。最後まで石ころ一つの処理までは市町村がするのです。だから、この市町村の存在を無視したような地方交付税がどうだこうだというのは言い過ぎじゃないかと、こういうふうに私は申し上げようと思ったんですが、途中で切ってしまいました。すなわち、財務大臣が言うように、地方は7.8 兆円も地方財政計画の中に架空のものを入れていると言っているわけですね。そして使って、国は苦しい財政運営をやっているのにもかかわらず、地方はそういうやり方をしている、これを削減しろと言っている。けしからぬ話なのですね。
 それから交付税の中でも、あるいは職員の給与が高いとか、そういうことは是正しなきゃならんでしょうけれども、例えば敬老金をやるな、あるいは結婚の祝い金をやるなと、こう言うのです。少子化で一番困るのは何かということです。結婚をして子どもを産んでもらわなきゃいかん。そのために奨励をしているのですよ。あるいはまた敬老の祝い金をやるのは、その人だけにやるのではないのです。祝い金をやることによって、その地域の人と家族の人が喜んでいる。同時にそこにコミュニケーションが生まれるのです。だから、そういうコミュニケーションが生まれてきますと、今度のような災害のときに、みんなが進んで災害の処理のために出てくれるのです。これが本当のボランティアだと思うのですね。そういう皆さんがやろうという根っこをつくるのが地方自治体のあの一般財源から出すお金なのです。ささやかなお金です。1人で100 万も200 万もあげるわけじゃないのです。子どもが1人生まれたら3万円あげましょうとか、わずかなお金なのですよ。それらが無駄なお金だと、こう言う。それをやらなければ、今の地方自治体というのは存在しません。存続することは不可能なのですよ。そういうことを含めて社説に書いてあるわけですね。だから実にけしからぬ話だと思いますから、こういうことを言われるのは、私どもとしては非常に心外ですから、ここらあたりについて力強い反発を、会長さんの方から総理によく反発をする気持ちを伝えてください、お願いを申し上げておきたいと思います。
 なおまた、私どもも地方交付税が、今さっきの3兆円の問題がありますけれども、3兆円と地方交付税が別のものだと考えていただきたいのです。3兆円でこうするから地方交付税も下げていい、削減してもいいというのは間違いです。これは三位一体の中で地方交付税を取り上げてきたからやむを得ないけれども、本来は、私に言わせるなら地方財政と三位一体の中で考えるべきではないかと思うのです。これも削減するから地方交付税も削減するといっているのですけれども、それなら3兆円削減して何で所得税を地方に渡すのですか。渡さなきゃいいじゃないですか。地方交付税をそのまま守っておられればいいじゃないですか。そうすれば、3兆円をわざわざ削減して、地方へ財源移譲しましょうというやり方をしなくていいのです。そう言われれば、地方交付税を落とすのは同じことなのですから。
 だから、難しいことをやるよりも、もっとこれはこうしなきゃならないときちんとした方針を立てていただくことが必要なのですね。だから、この文章、地方財政のところについては、極めて私どもが普段から思っていることをそのまま書いていただいておりますから、この文章に対して申し上げることは何一つありませんけれども、私たちがこの社説で非難されるようなことは絶対にないということだけ今日は申し上げておきたいので、会長さんぜひ総理に、地方はそういうものではありませんよということをお伝えしてくださるようお願いを申し上げておきたいと思います。
○片山委員 私、議長会の会長・副会長会議を今からやりますので、中座いたします。発言をすまいと思いましたが、皆さんがそれぞれ思いを言いますので、何も言わないで帰るというのも都合が悪いので、一言言わせていただきますと、国と地方の協議の場に出ていっても何にも楽しくもなかったし、北九州から東京に来て希望がほとんどなかったという印象を持ちました。ただ、今日はこのとりまとめに出席させていただいて、この場はよかったなと、途中で退席するのは非常に残念だなという気持ちです。国会議員の先生も今日は委員としてご出席だと思いますが、山出会長が言ったように、私ども、もともとは国が政府が、閣議決定した骨太方針2004が基本でないかというふうに思っているんですが、そこのところが与党・野党問わずに、決めたことを守れないのかという不満が非常にございました。私、はっきり申し上げて、与党に所属をしている議員ですが、最近つくづく嫌になっておりましたが、この第28次地方制度調査会に来て大変うれしく思いました。途中ですけれども、喜んで中座させていただきます。ありがとうございました。
○中川委員 町村議長会の中川でございます。これまでの専門小委員会の委員の皆さん方に積極的なご審議をいただいておりますことにまず心から敬意を表したいと思います。
 地方財政制度のあり方について、賛成の立場での意見を申し上げたいと思います。我々も地方六団体の一員として「小異を捨て大同につく」という立場で三位一体の改革に全力で取り組んでいるところでございます。しかし現在、政府内部をはじめ、関係方面から様々な地方六団体の改革案つぶしが行われており、分権改革の芽がつまれようとしており、今まさに重大な局面を迎えておるところでございます。この時期に当調査会といたしまして、総理に意見に提出するということはまことに時宜を得たものであり、ぜひともお願い申し上げたいと思うところでございます。
 多くの町村は、政府の方針のもとに苦渋の決断をもって自らの存在を否定する合併を選択してまいりました。こうした町村にとって地方六団体の改革案が実現されないということになれば、何のためにこの苦渋の決断をしてきたのか全く報われないことになるわけであります。このような無慈悲なことにならないようにお願いを申し上げる次第でございます。
 本会はお手元に配付のとおり、10月22日の会長会において、「市町村合併の進展と三位一体改革の実現に関する決議」をいたしました。政府は当初、地方分権の受け皿を作るための手段として市町村合併を推進してきたはずが、今や国の財政事情からの合併を目的化しているわけであります。合併町村は率先して政府のいう地方分権の受け皿づくりのために自らの骨身を削りながら取り組んでまいっておるわけでありまして、まさしく町村は国のカタチを変えるために他に先駆けて次々と実践を重ねて改革を実現していると自負をいたしております。この上、財務大臣が言われるように、地方交付税を7〜8兆円も削減するということは、昨年末の例を挙げるまでもなく、自主財源に乏しい我々町村にとっては仕事をするなということであり、言い方を変えれば、死ねということに等しいと言っても過言でないというふうに思います。5,000 人規模の町村では、歳入の40%を交付税で賄っているわけであります。税源が見込めない町村においては、交付税の財源保障、あるいはまた財政調整機能の堅持が、この三位一体改革案の前提条件になっているわけであります。これ以上交付税が削減されますと、行き着くところ、財政力の弱い我々自治体は法定受託事務を順次返上せざるを得なくなるばかりでなく、自治事務までも実施できなくなってしまうような結果にならざるを得ません。この結果、国対地方という対立構図をいたずらに増幅して、国と地方の信頼関係を根こそぎなくするような議論ではなくて、全国の市町村の集合体が日本をつくっているという考え方に立って今日の危機を乗り切ることが肝要だというふうに思います。
 人口が少なく、政治力の小さな町村を財政という力で押しつぶすということのないように、地域の住民が自己決定、自己責任のもとに、将来のまちづくりの夢が語られるような真の地方分権改革を何としてもなし遂げることが肝要でありまして、この我々地方六団体が提出しました改革案を真摯に受け止めて、この17年度の予算に反映できるように願うところであります。
 地方議会改革についても一言発言させていただきますが、先の総会で、ヒアリングの際にも申し上げましたが、町村議長会といたしましては、第2次の地方議会活性化研究会を立ち上げ、今現在積極的にその議論を重ねているところでございまして、当調査会の審議に間に合いますように来年の早い時期に中間まとめをいたしまして、委員の皆さん方の議論の参考にしていただきたいと考えておりますので、併せましてよろしくお願いを申し上げたいと思います。
 国会の動きも含めてちょっとご報告申し上げておきますと、今の道州制でございますが、私たち自民党の中の政務調査会の地方行政関係のところでは、方法論までも含めて行き着く先は道州制でございますが、まずは、お話がありましたように基礎的な自治体をほんとにもっと自立した形にする、そしてそれをしないとなかなか府県というものが廃止できるものでもない。ですから、まずは3,000 の自治体を1,000 ぐらいに統合して、そこにかなりの権限を移して、そしてその権限で自立を始めますと、中2階の府県は要らないじゃないかという声が下から上がってくる。その時点で一つのくくりというものを、ただ近畿とか中国とかそういうことじゃなくて、それぞれの府県が自主的に動きを始めて統合していく、そういう過程の中で日本の国は新しい道州制といいますしょうか、そうした大きな括りの自治体連合になっていくのではないか。そのように私たちは思ってその方途で進めておりました。
 ですから、党としましては、初めは道州制ということは、もちろん議員連盟その他でいろいろ議論はされておりましたけれども、党の正式な機関としてはこれ自身取り上げてはおりませんでしたが、ご承知のとおり、この間のマニフェストで北海道をまずは道州制の見本としてというようなことが始まりまして、私たち逆に驚いたようなことでございます。そういうことで、今回は総理の思い入れもございますので、政調の中に道州制の調査会というのもつくりました。実際、私たちが今でも思っていますのは、やはりこの市町村合併をまずはしっかりとして、そこにかなりの権限を移して三位一体も含めて、そしてその上でもう県は要らないじゃないか、もっと大きく統合した方がいいじゃないかという声が下から上がってくる、町村から上がってくる形が、私は望ましいと思っています。
 そういうことの論点整理的な意味で、この10ページのところに書いておりますように、設置にもっていく方法にしましても、各都道府県から自主的に申請して上げていくのか、あるいは法律によってバンと決めて上から落とすのかといった2つ、両論併記されておりますが、こういったことがそれぞれ議論になろうかと思います。全国一斉にするのも一つの方法かもしれませんが、私は先ほど言いましたように、府県の合併を自治法上可能にいたしましたから、私は大阪でございますが、昔は大阪と奈良は一緒でございまして堺県と言っておりました。泉州の方でございますけれども。また近年では、阪奈和合併という話も出てまいりました。大阪と和歌山と奈良、これは一緒になっていいじゃないかということですね。そういうことがあちこちで、東北三県は具体的に合併の話が出ております。こういうことから、地域的にばらばらでもあってもいい、それが進めてきてなかなかいいじゃないかということで、よその府県も、またこれを見習うような形になっていって、一つの日本の新しい自治体の形が出てくることの方が望ましいと私は思っておるような次第です。
 それから三位一体でございますが、これは地方自治体の方は約9兆円の補助金を自分たちに任せてもらっていいのだという話でしたが、一挙にということではなくて、税源移譲がまずは4兆円、そのうえ去年1兆円やりましたから、あと3兆円。では、それをどこから、どれをやったらいいのだということは、やはり地方が考えてもらわぬとできませんよ、しかし、それをやるには各省庁のかなりの抵抗がありますよと。私は当時の総務大臣、片山さんと私とで、総理にかなり強く詰め寄ったことでございます。政治的な決断ができますかと、できなかったらできませんよと言ったのですが、「やるよ、持ってこいよ」と総理がおっしゃった。それで地方自治体の方に3兆円、と総理ははっきり約束しましたから、実際9兆円のうち何を任せたらできるのか出してみてくださいと言って今回出してこられたのですね。ですから、これは尊重しなきゃだめですよ。それを各省庁がつぶすようだと、私は三位一体といいましょうか、今、大きな流れの地方分権というのは途中で挫折してしまうと思っております。そういうことですから、これはどうしてもこの地制調の方からも大きな声を上げていただきまして、これはやらせてみるべきだといったことも含めて強くご提言をちょうだいいたしたいと思います。
 ただ、今のところ、私どもは六団体の中にも若干温度差とか地域差がありますから簡単ではないと思いますが、今大きく問題になっております基礎教育ですね、義務教育の今はまず中学校分だけですけれども、要するに2.5 兆円持っています文部科学省の国庫負担金を地方に渡すということに対しまして大変な抵抗を示しております。しかし、これはご承知のとおり、前の分権一括法のときに、義務教育というのは自治事務と位置づけしているわけですね。それを今でも半分文部科学省が持っているのもおかしいのですが、これはともかく戻すことが当然だと思います。しかし今、教育は国の責任だという大きな声が上がっていますけれども、私は責任を放棄しろと言っているのではないのです。今のところの話はそこで混同されておりますけれども、本当に教育の任免権までも地方自治体に渡してしまうかどうかといったようなことも、それも基礎的自治体の方にですよ、そのことの議論をこれからする必要があると思いますが、今のところは文部科学省が持っている負担金の残り、半分を地方に渡したらいいだけじゃないかということです。そのあと金目の話じゃなくて、先ほど言いました日本の義務教育をどうするかといったところを議論したらいいのではないか。しかし、それは環境省もそうですけれども、ごみ処理を地方に任すことはけしらぬと言っていますが、環境省は、金配りをする役所じゃなくて、ちゃんと基準を決めて法律をつくって、それを守らすこと、そういう仕事が環境省の仕事じゃないかと言っているのですが、文部科学省も同じことだと私は思っております。
 また、基礎的な自治体に当然任すべきだと思っております義務教育を、家庭と地域社会が責任をもってこそ初めて、それぞれの特色を持って、金太郎アメじゃなく、個性の発揮できる人間に育っていくのだと。それが一つの人間社会のあるべき姿で、アメリカには文部省もございません。地域に任せております。日本も寺子屋でちゃんと子弟教育をやってまいりました。そういうことから考えたら画期的なことで、日本の国の人間のあり方、すぐ教育が悪い、政治が悪い、教育委員会が悪いといったような責任を他に転嫁するような今の日本人のあり方そのものを変えていく、自立的にもっていく、その一つのきっかけにもなろうかと思いますから、これだけは私たちも頑張りますが、皆様方も大きな声を上げていただきたいと思っている次第でございます。
○肥田委員 民主党の肥田美代子でございます。本当にご苦労さまでございました。すばらしいまとめをしていただいております。
 昨日、うちの政調会長の仙谷さんとも話してまいりまして、本当に民主党はこれで行くのかということも確かめてきました。そしていろいろ議論がございましたけれども、六団体の皆さんのご意向をしっかりと支えていこうという我が党の考え方は大体まとまったようでございます。ただ、今、中馬先生がおっしゃいましたように、義務教育のところでちょっと不安がございます。世界でも国が全部支えているところ、それから最低限50%支えているところ、各国いろんな情況がございますけれども、小委員会の先生方も教育関係の方々が大変多うございますので、恐らくそのあたりの議論を丁寧にしていただいておるとは思います。ただ、日本の教育費の公費負担、そのGDP比がよそに比べて結構低うございますし、この状態の中で本当に補助金をなくしてしまっていいのか、国の補助率を削減しちゃっていいのかということがやっぱりあります。税源率を調べましたら、高知とか沖縄とか島根とか鹿児島県とかは、マイナスになるわけでございますので、教育について、本当に大丈夫なのかという不安を私はまだ持っております。教育の場合、一日もおろそかにできないことでございます。公共事業の場合なら、まだ少し大人たちが我慢すればいいけれども、子どもたちのことでございますので、我慢はできない経費でございます。ですから、これは交付税をしっかりと獲得するという担保をとるのか、それとも、新しい教育費を獲得するための別法、新しい法律でもってそれを支えていくのか、どのようにこれからお考えなのかなということをちょっとお聞かせいただきましたら、私たちはもっともっと六団体の皆さんのご意向を全面的に支えることができると思うのでございます。
○佐々木委員 民主党の衆議院議員の佐々木でございます。最初に、小委員会の皆様本当にご苦労さまでございますが、資料の1についてちょっと意見を申し上げたいところがございます。
 3ページで上の2番目で「広域自治体の再構築の必要性」のところで「○」の1番目のところですが、「明治期に確立された地方自治制度では」と、こう書いてありますけれども、私はこれに大変異論です。明治期、つまり明治憲法の下では、日本の国には地方はあった、地方の制度はあった、しかし地方自治はなかった、私ははっきりこれは言うべきだと思います。地方自治制度があったというのはどなたの見解がわかりませんけれども、私はこれは真っ向から賛成できません。日本では、地方自治というのは、はっきりと戦後の憲法の改正によって憲法の中に初めて地方自治ということがわざわざうたわれているわけですね。これは非常に重要な改革点だったと思うのです。しかし、そうであるにもかかわらず、残念ながら地方自治ということが生かされてこなかった。そこで今、本当の意味での地方自治の改革というか、地方自治の確立が迫れて、この論議が始まっているのだと、私はそう認識しておりますので、その点、ひとつぜひご検討いただきたいと思います。
 そういう観点から考えた場合に、まだ今の道州制の問題にしても、それからこれからの地方自治のあり方にしても、本当にそういう意味で地方が主体になっての議論にこれまたなっているのかというと、若干そうじゃないのではないだろうかと。道州制の問題にしても、確かに前向きに考えられるとは思いますけれども、先ほど来お話があったように、国民の皆さんがまだ十分な理解をしていない。これが実現されれば、その地域が、あるいは地域に住んでいる住民の皆さんの生活や権益や、そういうことがどういうようによくなっていくのかということについてのイメージがどうももう一つピンときていないのではないだろうかと私自身もそう思います。私などは北海道ですからもう既に一つの道州制みたいなものですけれども、しかし、北海道は北海道として、ご案内のように高橋知事の名前で道州制の独自の提案をされているわけですけれども、さて、それが全国的に本当に通用するものになるかどうか。これはここでもまた議論をさらにしていただかなければならないと思いますが、やろうとする道州制がその地域によっててんでばらばらのようなものになってしまうので、これまたしょうがないものではないかと思うわけです。
 例えば北海道は、そうでなくても今東北との連携、いろんな意味コミュニケーションなどを深めて、仕事も、できることは一緒にやっていこうやというような動きがあるわけですけれども、しかし俗に言う東北六県がかなり地域性も違うわけですけれども、その東北六県がどういうような形で道州制の中で体現されようとしているのか。それによってそれぞれの地域性だとか特性、いいところがかえって失われてしまうのじゃないかというような心配だってないわけでないわけですから、そういう点を含めて、私はもっと国民の皆さん、あるいは各地域、広く広く意見を聞きながら、この道州制の積極的な意義というものについての理解ができるのかどうか、これからも国民的な議論を起こすような努力をしていくべきではないかと思っております。
 それから三位一体ですけど、これは地方にとってみれば、本当に財源はみんな大変なわけです。北海道なんかもそれぞれ大変で、今のような政府のやり方は、このままだったら地域がやっていけない。さっきもこのまま続けば来年などは赤字団体続出というお話がございましたけど、まさにそのとおりで、現にも北海道あたりでは各自治体、特に町、市もそうですけれども、大変な状態です。そういう意味では、私は六団体からの提案というのは本当にぎりぎりのご提案だと思いますので、このところは私どもとしても重く受け止めて、政府としても例の閣議決定生かすような方向で各省庁をきちんと指導していただかなければ意味がない。小泉さんも「地方にできることは地方に」という、「民にできることは民に」と言っているわけですけれども、できることでなくて、本来地方がやるべきことを国の方が従来はやっていて、それを押しつけていたというか、そんなこともあったのではないかと思うわけですから、そういうことを含めての三位一体、今、三位ばらばらになって地方に先に負担だけを押しつけているようなことになっているのが、私としても非常にいびつな形になっていると思いますので、この辺をきっちりとまず是正することから始めないと、国と地方の信頼関係なんていうのはできっこない。
 また、前回私が申し上げましたように、合併にしても、北海道でも合併協議会をつくっているし、皆さんご苦労してやっていますが、協議会をつくっていろいろやった、しかしまた、住民の皆さんの意見も聞いてみたら、やっぱりどうしてもうまくいかないというので協議会が壊れたということがあっちこっちに出てきております。そういう実情も把握していただかなければ、ただ上から押しつけて合併しろと、合併しないのだったら、補助金や交付金について面倒みないというようなやり方は、絶対にこれはやってはいけない、こんなふうに思っております。
○伊藤委員 民主党の参議院議員の伊藤でございます。私は道州制の問題について触れますが、かねてから道州制を制度や機能論ということで検討するときに、特に経済的な機能を行う連合体、府県連合を先行させて助走的にやる必要があるのではないか。経済機能から入っていくということを着実にやっていった方が道州制に近づくのではないかというふうに申し上げていました。もう一つは、市町村合併に伴って府県の役割が変化をするだろう。特に合併ができない町村について、その重要性は今より格段に増すのではないか。府県の存在というのは非常に重要になってくる側面が残されていくというふうに申し上げてきました。
 そこで、道州制について何点か整理して意見を申し上げたいと思いますが、1つは、道州制が大きく取り上げられているわけですけれども、正直言って道州制の議論は未成熟であるというふうに言わざるを得ないと思っています。小泉内閣の北海道だけ先行実施案というのがありますが、具体的な実現性は、今佐々木さんも申し上げましたけれども、多くの人が疑問を持っているのではないか。本来、相当時間をかけて検討すべき課題が何かひとり歩きしているという危険性を感じます。東北、北の3県の研究会報告をはじめ、積極的な動きもありましたが、道州制議論については長い歴史があるものの、必ずしもその概念は整理されていないように思っております。今回の論点まとめがそのことを目指そうとしているわけですけれども、そのことについても後で申し上げます。そういうわけですから、今後のプロセスについては極めて重要な課題であるだけに、慎重な対応が望まれるというふうに思います。都道府県の合併が進むかどうかなどを見極めた上での検討ということが今重要なのではないかと思います。
 2つ目は都道府県の役割の再確立。先ほども申し上げましたが、地方分権一括法によって国と地方の役割分担が整理をされましたが、基礎自治体が基本であって、広域的自治体である都道府県の役割を再確立しなければならないと考えます。皆さんも申し上げています。その場合、市町村との対等協力関係を基本に、広域、専門性、市町村間の調整、市町村の補完機能をどう確立するかが課題となりますが、市町村合併の進展も不透明な中で当面は都道府県の広域連携で対応できるのではないかと、これが現実的ではないかというふうに思っています。
 都道府県の財政の確立でありますが、現在の税源移譲の方策では、大都市の不交付団体化の可能性はあっても、道府県の不交付団体化は困難であって、かえって都道府県間の格差は拡大することが危惧されます。また2006年度から地方債発行の同一協議制への移行に対応した地方債の共同発行のシステムの確立などが私は具体的に急がれることではないかというふうに考えています。それから地方財政のあり方については、特に地方交付税の問題について全く同じ意見でありますし、一番今日的にしっかりしたまとめ方がされているところだと思います。
 ただ、「地方財源不足への対応」中で、最後に「国・地方を通じた巨額の財源不足……消費税・地方消費税の税率引上げ等の税収増加対策に取り組むことが是非とも必要であると考える」。これは地制調として果たしてここまで言い切ることはどうなのかという疑問は感じます。
 さらに財務省の態様について、六団体の怒りの声を今日はいっぱい聞きましたが、当然のことだと思いますけれども、今政治パワーがぶつかり合っている課題ですけれども、地制調という立場からすれば、自分たちの考え方を強調するには、ただそのことが正しいことをきちんと述べるということが必要なのであって、財務省がどうのこうのということは書くのはいかがかなというふうに思います。当然わかっていることですけれども、きちんと我々の主張を述べるという態度になった方がいいのではないかなと思います。以上。
○諸井会長 ありがとうございました。滝先生、後からおいで恐縮なのですが、多分前もってお読みいただいていると思いますので、何かご意見がございましたら。
○滝委員 大変遅れて参りまして恐縮でございます。時間もないようでございますから簡単に2点ほど申し上げたいと思うのです。
 第1点は、道州制の問題でございまして、最初のときに申し上げたと思うのですけれども、結局、今地方で心配しているのは市町村がどうなるかということを心配している最中でございますね。そのときに、全く市町村とほとんど関係ないような議論をするということの意味をもうちょっときちんとしていかないと、なぜ今道州制の議論をするのかというのは、何となくちぐはぐな感じがして、市町村が存廃の危機になっているのに、何となく悠長な感じを与えるのは甚だよろしくないのではないだろうかなという感じを受けるのでございます。したがって、この道州制の、まだまだこれからだと思いますけれども、もうちょっと市町村がどうなるか、それによって私は今の都道府県はほとんど機能を失っていると思っておるものですから、それは何とかしなきゃいかんだろうと思いますけれども、いきなりそれが道州制に結びつくのはどうかというのはやや早いのではないだろうかなという感じはしますので、そういう観点からの整理をひとつお願いを申し上げたいと思うのです。
 それから、交付税の問題が特に来年度の問題で大きな焦点になっていると思うのですね。したがって、私は地制調としては、今と同じような意見になろうかと思うのでございますけれども、何を当面の来年の問題として地制調の意見をまとめるかということは甚だ難しいように思うのです。何が難しいかというと、報道によりますと、財政当局は、当然のことながら三位一体というのは名ばかりであって、交付税をいかに切り込むかということに執念を燃やしているように見受けられますので、地制調としては、交付税のあるべき姿をもう一遍具体的に何らかの格好でコメントをしていただいた方がよろしいのではないだろうかなと。例年のこの種のものは非常に抽象的に過ぎるところがございますので、今年はもう少し具体的なコメントを地制調として出す必要があるのではなかろうかという感じを強く受けるわけでございます。
 とにかく市町村は特に、県もそうですけれども、やっていけないということで一致しているわけですよね。そのときに、私も二、三の市町村長さん方に申し上げるのは、やっていけないなら、やっていけない理由を具体的に示して、そしてまな板の上にのせてもらう必要があるのではないのと。一般的にやっていけないと言っても、財政当局からすれば、そんなものは何も痛くもかゆくもないので、したがって、そういう声を少し地制調の場で具体的にお示ししていただいた方が、本当にやっていけないのか、やっていけるのか、そうして筋論としてどうあるべきかということを少し触れていただいた方がよろしいのではないだろうかなと。例年とは違う格好で打ち出していただきたいというふうに思っておりますのでよろしくお願い申し上げます。
○諸井会長 ありがとうございました。これで一通り地方六団体と国会議員の先生方のご意見を伺ったわけですが、専門委員の皆さんも、いろいろご意見を伺っていながらお気づきの点もあろうかと思いますので、何かご発言があればどうぞ。
○小早川副会長 大変皆様から大局的な有益なご発言があった後で、ちょっと細かなことで恐縮ですけれども、一点やや気になることがございますので発言させていただきます。
 私の立場から申し上げるのも何なのですが、資料1の11ページへ(7) のところでございます。そこに「道州制の導入に際し、現行の国の法令等による義務づけ・基準の設定等のあり方や、国の関与の法定主義や基本原則に関して、その見直しを検討する必要はないか。」という記述がございまして、これはちょっと率然と読みますと、現在、地方分権改革により国の関与の法定主義、基本原則、これが法律に規定されたわけですが、それを何か緩めるように読まれると、これは大変誤解だと思います。そうではなくて、道州制をこれから議論していくわけですけれども、仮に広域自治体が役割、機能が強化されたような形での制度設計をするとすれば、むしろ逆に一層その国からの関与については、これは抑制的にすべきだというような、そういう方向も視野に入れて議論すると、そういう意味だと思いますので、ここは文章を直すようなことはないと思いますけれども、念のための確認をさせていただきたい。
○浜田委員 今日のご発言を聞いていての感想を一言。今後、我々どういう方向で議論すべきかというのに関する感想なのですけれども、六団体という、いわゆる現場の方々からこういうご発言があったのですよね。中間の道州、あるいは都道府県という行政単位の議論は今後ますます、いわゆる基礎自治体の市町村の自立性が高まれば、県という存在が疑問になって、もっと大括りにすべきだという方向へ議論するステップだろうなと。これをお聞きしながら、どうして最近、市町村というものの自立がどんどん進んでいるのかなと、今までよりも。どういう具体的な内容なのだろうなというような聞き方をちょっとしました。
 そうしたところが今度、いわゆる国会レベルの皆さんの発言の最後に滝先生から、市町村が存廃の危機にあるときに何と悠長な議論をというようなご発言がございました。存廃の危機というのと、自立が進んでいるというのはちょうど反対の表現なものですから、存廃というのは、やっぱりお金の問題なのかな、財政の問題なのかというふうに感じるわけですけれども、市町村がどういうふうに、いい方へ動きつつあるのか、そうでないのか、危機の方へさらに動きつつあるのかという私どもの認識と、国と市町村の中間にある道州制の議論とは無関係じゃないものですから、私どもとしては、どっちの認識でどういう議論をすべきなのかなというのを、また大変疑問も強くなったと。当然、簡単なテーマじゃありませんから疑問は消えない課題なのですけれども、ちょっと感想を一言ということで。
○滝委員 今、浜田委員からお話がございましたけれども、自立の方向というか、市町村の役割は確かに増えてきている。それは文字通り増えておりますし、そして地域における自立の方向を目指して動いていることも間違いないのです。しかしその一方で、財政的に立ちいかなくなってくるという意味で私は市町村が存廃の危機に瀕していると、こういうふうに申し上げておりますので、方向としては、いい方向に行っていると思いますけれども、少なくとも財政的には首が回わらないところまで来ておりますので、そういう意味でそういう表現をさせていただきました。
○山本委員 私、さっき市町村が自立を、独立をすることが望ましいと言ったのですが、これはさきのこの調査会で、基礎的自治体が基礎自治体に変わったのだけれども、基礎自治体になることは、これは決まっているのだけれども、自立をすることが必要であるという、それは答申されたとおりです。だから、その自立をしたときに、初めて県との関係が薄らぐのですね。だから、市町村は、自立が先行しなければ県との関係は薄らぎませんから、現行のままで道州制を敷くのは適当でないと私は申し上げたつもりです。ですから、早く市町村が自立ができるように、我々も努力しなければなりませんけれども、国側も格別な支援をして、そして道州制が生まれるようにする。そのためにはもう一つの条件として、国の地方にある事務を都道府県に移すと、そこで初めて道州制が生まれてくると、こう言ったのです。だから、市町村が進んでいるとは申し上げたつもりはございませんので、自立をするまで、して都道府県との関係が薄らいで、言うならば、関係しなくもいいようになってから道州制というのは必要ではないでしょうかと申し上げたのです。だから、そういう意味ですから。
○山出委員 市町村も自分の考え方で、そして国のかかわりなしに運営をしていきたい、そういう気持ちは次第に強くなっている。だからこそ今度改革案を六団体でまとめたわけでございまして、その中に市長会も含まれるし、町村会も含まれるわけであります。ただ、財政運営ということになりますと、随分不況が長引いてきました。地方も国の景気対策に呼応したことは事実です。結果として非常に借入残高が増えてきた。不況がまだ地方では完全に回復していませんから税収ももとへ戻らない、だから面倒だと、苦しい。これが滝先生が危機的な状況だとおっしゃってくださったんだろうと思っていまして、問題は、権限を欲しいというところへ来ている、しかし財源的に苦しい、ここを我々は申し上げたと、こう理解してください。
 それでは、そろそろ時間も迫っておりますのでまとめたいと思います。今日お出しした「道州制に関する論点メモ」、これは従来、専門小委員会で道州制に関して議論してきた中身を、一応、中間とりまとめのような格好でメモにしたものでございます。これについては、基本的にはいろいろ問題もあるのかもしれませんし、むしろ今日いただいたご注意は、これから我々が最終答申に向けて議論していくときに、こういう点を注意しろということをおっしゃっていただいたように思いますので、それは十分に考えながら、これからの議論を進めて最終答申にまとめてまいりたいというふうに思います。
 それから、たしか明治期に確立した自治制度ですか、これはちょっとやはり修文した方がいいかもしれませんので、ちょっと検討しまして、またご連絡いたしますから。
 それから財政の方は、例年年末に地方財政に関する地方制度調査会の意見を総理の方へお出ししております。そういうことで今年は特に三位一体に主眼を置いた意見をつくったわけでございます。これについては余りご異論はなかったのではないかと思います。また、問題のある点は、もちろん、これから財務省とか各省等の折衝の中でいろいろ出てくるのだろうと思います。これまた来年にかけてのいろんな議論になってくるのだろうと思います。
 一応、もしよろしければ、今日お出ししました論点メモと意見、この2つの文書について総会でご承認をいただければ、今日、総理の方へ提出をしたいというふうに思いますが、いかがでございましょうか、よろしゅうございましょうか。  
○諸井会長 じゃ、さっきの修正点はちょっとまた検討しますが、それでは、そういうことで基本的には今日の案で総理の方へお出しするという、そしてまた来年の審議の過程で十分にまた検討させていただくということで今日の会議は終わりたいと思います。今日は長時間ご熱心なご討論ありがとうございました。

 

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